第744話秋されば 雁飛び越ゆる 竜田山
秋されば 雁飛び越ゆる 竜田山 立ちても居ても 君をしそ思ふ
(巻10-2294)
秋になると、雁が群れをなし、竜田山を越えて飛んで行きます。
私には飛んで越えて行くことなどできないので、立ちあがったり座ったりして、あなたのことを偲んでいるのです。
好きで好きで、居ても立っても居られないほどになってしまった。
そうは言っても、雁のように竜田山を越えて飛んで逢いに行くことはできず、ひたすら恋偲ぶだけになっている、と嘆いている。
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