第702話風吹けば 黄葉散りつつ すくなくも
風吹けば 黄葉散りつつ すくなくも 吾の松原 清くあらなくに
(巻10-2198)
※すくなくも:大いに、並大抵ではない。
※吾の松原:三重県三重郡の南部から四日市市にかけての海辺。
風が吹き、黄葉がしきりに散って行きます。
この吾の松原の清らかさは、並大抵ではありません。
旅先の吾の松原で、黄葉が風を受けて、盛んに散って行く。
元来が景勝地の上に、そのような自然の演出があれば、讃美するしかない。
尚、吾の松原は、聖武天皇の東国行幸の際に、この地に行宮を設営、宿泊された。
そして、当地の美しい松原を見ながら、次の歌を詠んだ。
妹に恋ひ 吾の松原 見わたせば 潮干の潟に 鶴鳴き渡る(巻6-1030)
妻を恋しく思いながら松原から海辺を見渡すと、潮が引いた干潟に鶴が鳴きながら飛び立っていく。
現在は、当時の行宮跡が現在では聖武天皇社という神社になり、隣接して松原公園が整備、上記の歌碑もある。
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