第671話このころの 恋の繁けく 夏草の

このころの 恋の繁けく 夏草の 刈り払へども 生ひしくごとし

                       (巻10-1984)


最近は恋心が激しくて、まるで夏に生えてくる草が、どれだけ刈り払っても、生えて来てしまうようなものなのです。


よほどの恋の病か。

諦めようとしても、そのたびごとに恋しさは募る。

常軌を逸しているなどと、誰に笑われようと、叱られようと、どうにもならない。

そういう恋に苦しむ時期は、たいていの人があるので、実感としてわかりやすい。

それを表現するために、夏の草を使う、なかなか的を得ていると思う。


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