第590話楽波の 比良山風の 海吹けば

槐本の歌一首

楽波の 比良山風の 海吹けば 釣りする海人の 袖返る見ゆ

                       (巻9-1715)

※槐本:未詳。えにすもと、えのもと、かきのもと、つきのもと等諸説あり。

※楽波:琵琶湖西南地方。

※比良山風:比良山は比叡山北部の琵琶湖西岸の山。


楽波では、比良山からの風が、琵琶湖の上を吹きわたり、釣りをする海人の袖を面白いように、ひるがえすのです。


比良山、広々とした琵琶湖、吹きわたる風、その風は湖上の釣り人の袖を面白いように、戯れるように、翻す。


実にさわやかな、愉快な風景歌と思う。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る