第474話山部宿祢赤人 あしひきの 山桜花 

あしひきの 山桜花 日並べて かく咲きたらば いたく恋ひめやも

                         (巻8-1425)

※あしひきの:山にかかる枕詞。


山桜の花が、いつまでも咲いているなら、これほどまでに恋焦がれることもないと思うのですが。


桜は、満開の状態は短く、他の花のように萎むことなく、美しいまま散っていく。

その散る際の桜吹雪は、華麗極まりない。

だからこそ、恋心が尽きることはない。

これは山部赤人だけではない、日本人なら全ての人が感じるのではないだろうか。

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