第415話木に寄せき(2)

見れど飽かぬ 入国山の 木の葉をば 我が心から なつかしみ思ふ

                        (巻7-1305)

※入国山:和歌山県田辺市秋津町にある山らしい。


見飽きることがない入国山の木の葉が、心の底から恋しくて仕方がない。


「入国山の木の葉」は他人の妻の譬え。

人妻に恋焦がれる男の心を述べた歌と言う。


世間の倫理に反していることも理解しているけれど、見飽きないほどに、他人の妻を愛してしまった。

もともとが叶わぬ恋だったのか、あるいは他人に奪われてしまったのか。

いずれにせよ、叶わぬ恋は、苦しく心を燃え上がらせる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る