第238話大伴宿祢家持の、娘子に贈りし歌(6)

ますらをと 思へる我を かくばかり みつれにみつれ 片思ひをせむ

                           (巻4-719)


私自身、立派なますらをと思っていたのに、これほど苦しくやつれて、片思いとなっている。


※みつれ:やつれる、常ならずに苦しみ弱る。


そもそも大伴家は、大和朝廷最大の武の家門。

その筆頭の家持自身は、誇りに思い、責任を感じ、自分自身が立派な男だと思っていた。

しかし、そんな自分も、恋には弱かった。

相手の女性を射止められず、片思いに苦しみ抜いている。


受け取った娘子の反応も、実に気になるところであるけれど、野暮になるので不問とする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る