第215話坂上郎女 このころは

このころは 千歳や行きも 過ぎぬると 我や然思ふ 見まく欲りかも

                           (巻4-686)


このごろは、逢わずに千年も経ったような気がするけれど、私は実にそう思う。

それは逢いたいという気持がそう思わせるのだろうか。


恋人といる至福の時間はほんの一瞬に感じ、逢えない時間は千年のように長く感じてしまう。

逢えない時間を千年のように長いと思うのは、逢いたいと思う気持ちもあるけれど、他にもある。

特に、旅先などで離れている場合は、恋人の安全、離れた地で病気になるとか怪我をしたと聞けば、なおさらに感じると思う。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る