第71話 大汝少彦名の

生石村主真人おひしのすぐりまひとの歌一首

大汝おおなむち 少彦名の いましけむ 志都の岩屋は 幾代経ぬらむ

                         (巻3-355)

大国主様と少彦名様が住んでおられた志都の岩屋は、その神代の時代から、どれほどの時代が通り過ぎたのだろうか。


大汝おおなむちは大国主様。少彦名様と協力して、この国を建設したという伝承が、記紀や風土記に書かれている。

志都の岩屋と、そこに両神が住んでおられたという伝承は、未詳。


まだ、あなた方がおつくりになられたこの国は、残っています。

いろんな時代、いろんなことを経験して、まだ残っています。

現在も、いろんなことがあるけれど、すぐには壊れないと思うので、ご安心ください。


何とはなく、両神と、この歌を詠んだ生石村主真人に、報告したくなってしまった。




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