第8話 出発
晴れ渡る空の下、後援会のみんなに見送られながら、ミノリやマコトたち5人と引率のタイラ先生は、クイズバトル側で手配されたマイクロバスで希望の島を後にした。
マイクロバスは希望の島と夢の島とを繋ぐ、夢と希望の大橋を渡り、検問所を通るといよいよ夢の島へと入って行く。
窓の外には島の周囲をぐるりと取り囲む人工ビーチの真っ白い砂浜が目に眩しい。
美しいビーチ、でも生き物のいない人工のビーチ。
ゴミで出来た希望の島の海の方が、生命に満ち溢れ、断然豊かな海と言えるだろう。
そんな希望の島にマコトが来たのはいつぶりだろう?
建ち並ぶお洒落な建物は、海岸に近い場所は平屋で、島の中央に向かってどんどん高層ビルへと空を突く高さとなり、その頂点にクイズバトルの会場となるドリームタワーがそびえ立っていた。
整然とした街並み、広い道路は自動車で溢れ、その両脇には規則正しく椰子の木が立ち並んでいる。
街を歩く人々は皆TVで観るようにオシャレで清潔に見える。
一方街のあちこちに立っている警官、街のあちこちに設置されている防犯カメラは、この街がけっして安全ではないことを物語っていた。
そっとバスの窓を開けると、何か食べ物と、香水と化粧と、そしてアルコールの混じった匂いが鼻をつき、マコトは思わず吐きそうになった。
やがてバスはカジノに隣接したドリームタワーに到着した。
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