少年

遠野 歩

航海

ぼくは

ぼくの水に

ふねを浮かべる


なるべく大きな

ふねがいい


時には

いくつも海を渡って

時には

空を越えるほど

大きくて

しっかりとした

家族も友だちも全員のせられるほどの

ふねにする


そのため

まずは

枯れ葉のなか

ムダのなか

価値を拾って

葉っぱを拾って

過去から

未来から

おもちゃ箱から

取って置きを

かき集めて

がんじょうな

小船を一そう

作り上げなきゃ



カチ トン トン

トンッ！



さあ 出航だ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る