大きな区切り

条件① 恋の進路は の後。


条件② 妖精町の拡張が検討されている。




妖精町の発展を望み拡張を検討している市政が想定している拡張場所の候補に旧市街がある。


劣悪な旧市街は、邪魔者置き場として使われていたが、その価値を軽視して、素晴らしい妖精町の近くに貧相な旧市街が存在して欲しくないと嫌悪する富裕層は多くて目の上のたんこぶ的に思われていることなどが動機で妖精町の拡張の候補地に旧市街がある。


富裕層を軽視できない妖精町は旧市街を候補から排除できず費用は増えるが出来る範囲だと考えているが現地民の抵抗を懸念してる。




旧市街を妖精町にしようと目論む者がいることを知った少女は、旧市街であの店を開きたいかと青年へ訊ねた。


少女は家族の思い出があるあの店に固執した父親の行為を否定する青年の本音が「無理だから諦めた」なら可能性が生まれた今、聞いてみようと考えて訊ねた。


夢は遠のくかもと補足されたが、青年から「可能なら」などの肯定的な要求を聞けた少女は方法を説明した。


方法は「最高位の妖精を旧市街へ呼んで旧市街の価値を高めて候補から外し旧市街に妖精を住み着かせる」だった。


提案を賛同した青年Cと共に旧市街へ帰った少女Aは変化の妖精を引き合わせてくれた旧市街の支配者Lへ構想を話そうとしたが門前払いを受けた。



門前払いを受けた二人AとCは、支配者L息子Mから要件を訊ねられて軽く説明したら構想を知りたいと好意的だった。


妖精町が出来て権力者が旧市街を去り権力を得た父親Lは現状維持を目指して格上を恐れていると考える中年Mは今の旧市街が持つ価値は低くて誇れないと思って旧市街が発展する方法を模索していた。


天才的な妖精飼いの生まれ変わりらしい獣人の少女Aが嫌いで恐れている父親Lは追い出したが、追い出さず利用して旧市街の価値を高めた方が良いと考えていた中年Mは旧市街へ帰って来て発展を望める何かを持っていると思って話を聞いた。


少女Aから聞かされた構想は、むかし常人に負けた獣人が勝者から否定されて終わった宗教の復活だった。


獣人が生きやすい環境を目指して妖精に好意的では無い者が多い旧市街で、最高位の妖精で昔の獣人からは神様と呼ばれていた存在を旧市街へ呼ぶと少女Aから聞かされた中年Mは不可能と思ったが、最期まで構想を聞いたら出来ると思えて協力を申し出た。




少女Aは妖精町の拡張で居場所を失うという噂を流して住民に旧市街から追い出されたくない気持ちを強くして居場所を失う危機感を抱かせた。


不安を抱く住民から旧市街居場所を守って欲しいと頼まれた支配者Lは出来ると約束は出来ないが努力するが限界だった。


可能性の段階で混乱が起こり対応に困った。大丈夫と言える段階では無くて無理とも言い切れないから答えを濁した。


旧市街から他に移って生活する未来を想像できない者たちは暴動を起こしかねなかった。


確定した情報が無い妖精町は可能性の段階と濁すしか無くて暴動を危惧して慎重に成っている。


可能性がある限り不安は消えず、旧市街の住民が抱いていた妖精町へ対する敵意は強くなり不満が爆発しかけていた。




中年Mは旧市街の住民を集めて演説をした。


妖精を優先する妖精町から旧市街を守るには、旧市街に妖精を呼んで妖精町の一部に成るより価値が有ると示せば良い、


妖精を飼った経験や知識が無い住民からは「出来る訳がない」と反論されたが、


「出来ない理由が無ければするか?」と訊ねて、


「妖精町の奴らと同じく常人だ」と同一性を主張して、


「奴らに出来て私たちには出来ないのか?」などと自尊心を刺激して挑発して、


反抗心を強めて示した手段へ促す為に誘導した。



旧市街の住民も妖精を飼えると思わせる為に二人AとC中年Mが集めた協力者で作った妖精が好む環境を演説に組み込んで住民へ見せた中年Mは可能だと示した。



獣人を大切にする旧市街の社会性を維持する為に、


「かつて獣人は妖精を神様と崇拝して共存していた、戦に負けた獣人は神様と引き離された。そして妖精町を作った者たちは『獣人は妖精を害する存在だ』と主張して、再び獣人と妖精を引き離された」


として獣人が妖精と共存できない理由は、常人に有ると演説で主張した中年Mは、


「歴史から獣人は妖精と共存していた事実が有り共存できる。出来なかった理由は差別的な常人の存在だ」


と主張して獣人の価値を主張した。


「獣人宗教の中には神様と獣人の橋渡しをする神の使いが居る。その者は妖精を知覚できる常人だ」


と言って


「奴ら(獣人と妖精を引き離した者たち)と違い我ら(旧市街の常人)は獣人と妖精の間を取り持とう」


と旧市街の常人へ呼び掛けて、獣人と常人の双方が必要だと中年Mは主張した。



中年Mに住民へ伝えたい事柄を伝えて台本を作らせて演説させた少女Aは、望みが叶う手段が有り、出来ない理由が無ければ、行う抵抗感が無くなると前世の師から気付かされた。出来ない理由が有っても、出来ない理由を回避できる手段が有れば行わせられるとも考えている。


不安を煽って行う価値を生み、出来ない理由を否定させて、行う自信を抱かせた。



呼ぶ妖精を滅びた獣人の宗教が信仰した神様に決めた少女Aの狙いは、宗教が滅びて滞在する価値がある場所を失って居場所を求める妖精なら可能性は高いと考えた結果。


獣人が妖精を神様と信仰していた歴史から妖精の中には神様と扱われることを好む存在がいると考えている少女Aは信者が神様へ尽くすように妖精をもてなそうと考えて古臭いと言われかねないとある宗教が行っていた祭りを可能な限り今風に復活させようとした。




旧市街の支配者Lは妖精町を作って獣人を陥れた天才の悪意を嫌い、天才の生まれ変わりが獣人を救い守ると認められず、少女Aを門前払いしたが、息子Mの演説を聞いて天才には悪意が無い可能性が自分の中に生まれて感情的に行った誤った判断を自覚した。


演説の裏に少女Aが居ると思った支配者は、妖精町では邪魔な獣人を排除して旧市街では必要な獣人を守った天才に悪意は無かったと認めて感情的に拒絶した自分の失敗を自覚して少女Aに協力する決意を固めた。




当初、演説は支配者Lに任せたかったが息子Mでも問題ないと判断した少女Aは、住民を奮起させて獣人の価値を示せば、獣人の為に存在する旧市街を作った支配者Lの協力を得られると考えていた。




獣人を引っ張るため見本に成ろう考えた少女A変化へんげの妖精を青年Cへ預けて終わるまでは獣人で居続けようとした。





妖精町の拡張を目指す者たちの集会で、旧市街の対応を話し合った時、最高位の妖精を呼ぼうと試みている旧市街が、成し遂げる可能性を追う者は、危惧すると言う行為で自尊心を傷つけたくない者たちが旧市街を侮って放置すると押し切った。








計画は成功して神様を呼べた。


獣人を愛する常人が居て、常人を愛する妖精が居るなら、獣人を愛する妖精も居ると考える少女は、獣人を愛する神様が居ると考えて、神様の住居と神様を呼ぶ祭りを行った。


獣人の居場所を作りたい旧市街の意思を汲み取った神様は旧市街に滞在している。





獣人が妖精と共存でいることを少しだけ証明できたが、広い世界で見たら獣人と妖精の共存は冷ややかな目で見られていて、変わった思われにくいが、旧市街は例外だった。


妖精を好意的に受け入れた旧市街は青年Cが夢を叶えうる環境に成り、妖精町に住む必要性を失った二人AとCは旧市街にある青年Cの家へ帰り、青年Cの父親が営んでいた店の営業を再開させた。


安価な商品は貧困層でも買いやすい価格で少しだが売れている。


店は何とか潰れない程度だが悲観する未来はない。


妖精町から再び旧市街に住み始めて獣人要素を隠す必要がなくなった少女Aは妖精と触れ合うときを除いて変化の妖精から力を借りず生活している。


獣人の少女青年は表向き奴隷と主人の関係に戻った。


少女は旧市街で行いたい事が多くて充実した日々を送っている。


お金が少ないから大変だけど遣り甲斐は有る。


妖精飼いを浸透させて大会を開きたいしお祭りもしたい。




青年少女を譲り受けた老人から託された願いを叶えたいと考えながらも老人の頼みと関係なく少女を幸せにしたいと思っている。





支配者から息子は孤児で、支配者が恋して女性は獣人だから、獣人の少女と恋仲に成っても問題ないなどと背中を押された青年相手の気持ちが分からず、失敗して関係が崩れる恐怖から告白する勇気はない。


支配者なりのお礼?





入れていないEpisodeなどは番外編的なイメージです。

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