行方は

条件 獣人の少女Aは妖精町を仕掛けた天才の生まれ変わりな可能性を青年C友人が知る。


補足 青年は男。



妖精町が出来て旧市街へ追いやられて侮辱されている常人の多くは各社社会を作った天才を憎んでいる。


旧市街で生まれ育ち青年と幼少期から交流している友人は、


友達が数週間前から所有し始めて信頼している獣人の奴隷が、


妖精町を作った中心人物の生まれ変わりだと友達の目を覚まそうと思った。


「旧市街で妖精を飼おうと試みる獣人は妖精町を作ったように何かを企んでいる」と邪推した友人は「あの獣人はお父親が追い込まれる原因を作ったの生まれ変わりなんだぞ」や「何かに利用されている」などと友達を説得した。


妖精に関する異常な知識を持つ獣人が、前世の記憶を持っていると友人から告げられた青年は、友人が嘘を付いてまで獣人を陥れる理由が見つからず否定できなかった。


今まで強く意識していなかったが、年齢に見合わない知識や態度から、生まれ変わり疑念を拭えない青年は誤解を期待して少女へ探りを入れたら、青年の意図を悟った少女から前世で妖精街を作ったと告白された。


旧市街で堕落して、妖精町が出来なければと被害者意識を持っている者を見てきた青年は少なからず妖精町を作った天才を言伝に聞かされて嫌っていた。


嫌いなと信頼する味方が同一だと本人から聞かされた青年は、少女と聞かされたの言動が一致せず別人と思いたくても少女が嘘を付く理由を見つけられず否定する可能性を失った。


少女は味方と思える理由が欲しかった青年は、言伝に聞かされた話は誇張されて間違いが多くて噂とは異なるなどの恨まない理由を考えても証明できずと否定まで辿り着けなかった。




旧市街で暮らしてから旧市街に住む者の大半は自分を憎んでいると感じていた少女は、妖精産業が衰退しても店を守ろうと過労死した父親の事で主人から恨まれている可能性は有ると考えて、前世を打ち明ける価値は無いと思っていたが、疑われた前世を隠しても疑惑は残り続けて信用されにくい(信頼関係が無いと成り立たない)と考えて、失望されて売られるか捨てられても当然だと覚悟して主人へ前世を告白して判断を仰いだ。


少女は考えをまとめる主人が答えを先延ばしにして生まれた時間を使い、自分が居なくても夢を追い続けられる様に、自分が持つ妖精に関する知恵を紙に書き記した。


知恵を独占して己の価値を高めていた天才は発見した理論を他者に教えず紙に記した事は無かった。




共に居る道が見つからず悩んでいる青年は夜中に明かりが灯る少女の部屋に気付いて、少女が出た隙に部屋へ入った青年は、妖精に関して書き記された大量の紙を見つけた。


知恵を明かさず隠していた天才の噂と対照的な少女の行動が、自分の為に行われたと思えて嬉しかった。



青年が持ち去った紙を燃やしていたら紙を求めて来た少女と対面した。


焼却を止めようとする少女を制止した青年は、青年に必要な物だから燃やすなと説得されたが、必要ないと否定した。


「私を捨てても(夢を追うために)」と言いかけた少女の言葉を遮って捨てないや頼まれたって手放さないと強く主張した。


青年は「なんで、私は……」と言いかける少女へ「父親の死か?」と返したら、少女から頷かれた青年は「父親の死は父親が悪い」と前置きして「妖精町でも夢を叶える機会は有るのに店に固執した」と妖精町に行かずこの店に固執した父親は責めているが父親の死で天才を責めていないと主張して、少女が抱いている罪悪感を否定しようと必死に説得した。


必死な説得をする動機は少女Aを捨てると思われたくなくて、捨てない、むしろ手放したくないと認識して欲しいから。不要な理由は無くて、必要な理由があると主張した。




大切な人と死別して苦しんで悲しんだがが残した居場所に居続けたくて嘘を付いて足掻きたかったけれど、それは良くない未来へ行くと考えて、良い未来だと考えた末に確信する別れが有っても、良いと、正しいと、決断した。


なのに、手放さないと告げられて、予想に反して求められた事が信じられなくて、嬉しいけど、夢の為に主人が我慢してないか不安に成って、問い詰めたが主張は変わらず、我慢していた悲しさや苦しさが溢れてぐしゃぐしゃに成る。


望みながらも叶わない理由があって、諦めようと必死に成って、別れる準備をしていた少女は、別れない理由を得て、信じがたい未来を得て、とても嬉しかった。




前世で、嫉妬されて恨まれた相手と利害が一致して協力関係になっても疑り深くなられて、信用を得ることが難しかった経験がある少女は、前世を偽って青年を手伝う難しさを考えて諦めようとしていたが諦めずに済んだ。

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