ちょーうん! 2-4 

劉備りゅうび荊州けいしゅうに拠点をおいたとき、

孫権そんけん、劉備に妹を嫁がせました。


荊州と揚州ようしゅうが結び、曹操そうそうと向き合う。

まぁ、当然っちゃ当然の戦略っす。


ただ妹氏、から連れてきた私兵たちに

守られてるのをいいことに、

荊州でだいぶ好き放題してたみたいっす。


で、趙雲ちょううんに、やんちゃな姫様を

抑え込む役が回ってきました。

そんなこんなでまぁ、それなりには

うまくやってたみたいなんす。


が、話は劉備が

しょく取りしたことでこじれます。


荊州が拠点なら、その矛先は

北に向かうしかないです。

何せ「曹操の野郎うぜえ」は共通認識。

そこをあえて破ってまで、

呉と敵対する理由が、なかった。


なかったんです。

蜀を手に入れて、国力が

実質二倍にさえならなかったら。


益州荊州を手に入れた劉備、

何なら単独でも割と曹操と戦えます。

つまり、同盟のメリットも薄らぐ。


実際のところそんな単純じゃないっすが、

「荊州の軍閥」だったんならともかく、

「益州荊州の軍閥」にまでなられると、

さすがに呉としても

脅威とみなさざるを得ない。


なので孫権としても、これ以上妹に

荊州にいてもらう意味がない。

船団を繰り出し、

妹を連れ帰ろうとしました。


ところでこの時、妹氏、

劉禅りゅうぜんを呉に連れ去ろうとしました。

これは……普通に考えれば

人質、でしょうね。


まぁ「可愛がられる」でしょうけど。


そんなことされたら一大事!

ってなわけで趙雲、張飛ちょうひと一緒に

水軍を率いて、何とか劉禅を

奪還したそうっす。


さらっと書いてますけど、

よく戦争になんなかったもんっすね……。




先主入益州,雲領留營司馬。此時先主孫夫人以權妹驕豪,多將吳吏兵,縱橫不法。先主以雲嚴重,必能整齊,特任掌內事。權聞備西徵,大遣舟船迎妹,而夫人內欲將後主還吳,雲與張飛勒兵截江,乃得後主還。


先主の益州に入れるに、雲を領し營司馬に留む。此の時、先主の孫夫人は權が妹たるを以て驕豪、多きの吳の吏兵を將い、不法に縱橫す。先主は雲を以て嚴に重んじ、必ずや能く整齊せんと、特に內事を掌せんと任ず。權は備の西に徵したるを聞き、大いに舟船を遣りて妹を迎え、而して夫人は內には將に後主をして吳に還らしめんと欲し、雲と張飛は兵を勒して江に截り、乃ち後主を得て還ず。

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