ハイチュー馬超3   

んー、なんつか、だいぶ馬超ばちょう

香ばしいっすよ……?


陳寿ちんじゅ先生が書かれた内容について、

典略てんりゃく」がもうちょい紹介してるっす。


馬超とともに決起した武将は

侯選こうせん程銀ていぎん李堪りたん張橫ちょうおう

梁興りょうこう成宜せいぎ馬玩ばがん楊秋ようしゅう韓遂かんすいなど。

十のエリアが合流、十万の軍に。


で、黄河こうががカーブする辺りで戦い、

馬超軍はボコボコにされました。

なので馬超は涼州りょうしゅうに逃亡。


また馬超のこの反乱があった段階で、

中原に移住させられてた家族は、皆殺し。


で、涼州での決起は飼い犬に噛まれて失敗。

なので漢中かんちゅう張魯ちょうろのところに逃げました。


あの武人馬超やで!

張魯、相当喜んだみたいっす。

なので馬超に、娘を

嫁がせたいって考えたそうっす。


っが、部下が止めます。


「馬超のやつ、自分が乱を起こせば

 親兄弟が殺される、と承知の上で

 乱を起こしてるんですよ。


 奴が親を敬愛しているとは、

 到底思えません。


 そんな奴が、果たして

 張魯様のお嬢様を尊重するでしょうか?」


たしかに。

張魯、すぐに輿入れの話を取り下げたっす。


ところで馬騰ばとう長安ちょうあんに移住した頃、

妾の弟である董種とうしゅってひとが

同じく長安付近に住んでました。


で、馬超が反乱を起こしたのを受けて、

彼ひとりは速攻漢中に逃亡。

なので皆殺しからも逃れられてました。


漢中で年を越した馬超と、董種。

明けましておめでとうございます、

そう言って董種が訪問すると、

突然馬超、おのが胸をぶっ叩き吐血。


「百人余の我らが一門が、

 一日のうちに殺し尽された。

 そうして今、二人しか

 生き残れておらんのだ。


 このような有様で、

 何を祝えるものか!」


その後馬超、張魯から兵を借りて、

涼州を奪還しようと試みましたが、失敗。


これ以上こういうの飼ってると危険だ、

そう思われたんでしょうね。

張魯の配下の楊白ようはくから命を狙われました。


なので漢中にもいられなくなり、

馬超、しょくに脱出したっす。


曹操に敗北してから、三年後のことっす。



あ、ちなみに、同じく典略に

馬超が蜀入りしても、

馬超の妾の董氏と、息子の馬秋は

漢中に残った、とあるっす。


で漢中、曹操に降伏。

ここで曹操、董氏は閻圃って武将に

褒美として与え、馬秋については

張魯に面倒を見させたそうっす。

まぁ張魯、すぐさま馬秋のこと

くびり殺したみたいっすけど。


確かに馬超の子供とか、

どんな厄種に育つか

わかったもんじゃないっすもんねぇ…。




《典略》曰:建安十六年,超與關中諸將侯選、程銀、李堪、張橫、梁興、成宜、馬玩、楊秋、韓遂等,凡十部,俱反,其眾十萬,同據河、潼,建列營陳。是歲,曹公西徵,與超等戰於河、渭之交,超等敗走。超至安定,遂奔涼州。詔收滅超家屬。超複敗於隴上。後奔漢中,張魯以為都講祭酒,欲妻之以女,或諫魯曰:「有人若此不愛其親,焉能愛人?」魯乃止。初,超未反時,其小婦弟種留三輔,及超敗,種先入漢中。正旦,種上壽於超,超搥胸吐血曰:「闔門百口,一旦同命,今二人相賀邪?」後數從魯求兵,欲北取涼州,魯遣往,無利。又魯將楊白等欲害其能,超遂從武都逃入氐中,轉奔往蜀。是歲建安十九年也。


典略曰:初超之入蜀,其庶妻董及子秋,留依張魯。魯敗,曹公得之,以董賜閻圃,以秋付魯,魯自手殺之。


《典略》は曰く:建安十六年、超と關中の諸將の侯選、程銀、李堪、張橫、梁興、成宜、馬玩、楊秋、韓遂ら、凡そ十部は俱に反し、其の眾の十萬は同じうして河、潼に據し、列に營を建て陳ぶ。是の歲、曹公は西に徵し、超らと河、渭の交わりたるにて戰い、超らは敗走す。超は安定に至り、遂は涼州に奔る。詔して超が家の屬を收め滅ぼす。超は複た隴上にて敗るる。漢中に奔りたる後、張魯は以て都講祭酒と為し、女を以て之に妻なさしめんと欲せど、或るもの魯に諫じて曰く:「人の若し此の其の親を愛さざる有らば、焉んぞ能く人を愛さんか?」魯は乃ち止む。初にして、超の未だ反せざる時、其の小さき婦や弟の種は三輔に留むられ、超の敗せるに及び、種は先に漢中に入る。正旦、種は超に壽を上ぶれど、超は胸を搥き、血を吐きて曰く:「闔門の百口、一旦は命を同じうせるに、今は二人。相い賀せるや?」と。後に數を從え魯に兵を求め、北に涼州を取らんと欲し、魯は遣わせ往かしむれど、利無し。又た魯の將の楊白らは其の能なるを害さんと欲し、超は遂にして武都より逃れ氐中に入り、轉奔りて蜀に往く。是の歲、建安十九年なり。


典略は曰く:初にして超の蜀に入れるに、其の庶妻の董、及び子の秋は留まりて張魯に依る。魯の敗せるに、曹公は之を得、董を以て閻圃に賜い、秋を以て魯に付せど、魯は自ら手にて之を殺す。



この辺の記述に従えば「人心もろくに収覧しないままいたずらに戦いを繰り広げようとしてるクソ野郎」にしか見えなくなるんですが、現代のニュースにすらいくらでも見出し詐欺みたいなのが溢れかえってることを思えば、変に「馬超クソwww」で確定するのも怖いよなぁ、と思うのでした。

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