関羽 雲長

関羽1 関張、その出自 

関羽かんうあざな雲長うんちょうという。

もともとは長生ちょうせいとしていたが、変えた。


河東かとうかい県の人間だが、

故郷でやらかしたから、

劉備りゅうびの故郷、涿たく郡まで逃げてきた。


劉備が故郷で手下集めをしていたとき、

関羽と張飛ちょうひが前に立っていたから

劉備が侮られることはなかった。


劉備が平原へいげん相になると、

関羽と張飛は別働隊の隊長になった。


ふたりは劉備と寝床も同じくしていたし、

劉備からの扱われ方も

兄弟であるかのようだった。


とは言っても、人々がひしめき合うような

場にあっては、そばに立って、

一日中護衛していた。


劉備の様々な交渉ごとに付き従っては、

どんなトラブル、厄介事からも

逃げようとはしなかった。




宅關羽字雲長,本字長生,河東解人也。亡命奔涿郡。先主於鄉里合徒眾,而羽與張飛為之禦侮。先主為平原相,以羽、飛為別部司馬,分統部曲。先主與二人寢則同床,恩若兄弟。而稠人廣坐,侍立終日,隨先主周旋,不避艱險。


關羽、字は雲長、本の字は長生。河東解人なり。亡命し涿郡に奔る。先主の鄉里にて徒を合せ眾とせるに、羽と張飛は之を禦侮せんと為す。先主の平原相と為れるに、羽、飛を以て別部司馬と為し、部曲を分け統ぜしむ。先主と二人は寢るに則ち床を同じうし、恩せるに兄弟の若し。廣坐に人の稠きたれば、終日侍りて立ち、先主に隨いて周旋し、艱險を避けず。

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