記憶のパズル

村上未来

プロローグ

プロローグ

まだ夏の暑さが残る九月十三日、染谷公園で二体の変死体が発見された。


遺体を発見したのは、近所の主婦である。


朝早く、いつものように散歩コースである公園に入った彼女は、そこで倒れている二人の人間を発見した。


時刻は六時五分。


日の出から、それ程時間は経っていない。


辺りはまだ、うっすらと暗い部分を残していた。


最初は酔っ払いが寝ているのかと思ったそうだが、近付くに連れ、ピクリとも動かない二人に異変を感じ、彼女はさらに近付いた。


そして、二人が頭から血を流し、うつ伏せで倒れている事に気付いたそうだ。


身元は直ぐに分かった。


被害者の名は高木信也、佐野博。


共に近くの高校に通う、十六歳の少年である。


警察の聞き込みで分かった事は、二人は札付きの悪と評判で、『龍児天道』という暴走族に属していた。


素行の悪い二人を恨む者も数多く、所属していた暴走族と敵対しているチームも存在する。


そして、二人の遺体には、争った後が見られなかった。


警察は、後ろから鈍器のような物で殴打され、殺害されたと見ている。


警察では凶器を探すと共に、目撃者の洗い出しに力を入れている最中だ。

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