第16話ヤベーやつ


「「いよっ!」」


僕と桐条の2人で堂理を肩に担ぎ、そのまま逃げようとする。


「ちょ、ちょっとまって欲しいんだ!」


三浦先輩が逃げようとする僕らを少し呂律が回っていない口調で引き止める。


「どうして奴が止まったんだ?後なんでその子は動かなくなっちゃったんだ?」


正直、三浦先輩が言っていることはわからなくもない。


加速、減速の様な速度を変えてしまう能力はとてつもなく強い、再生力を早めて傷を癒したり靴の落下速度を落として空気を蹴ったり、そんな面白く尚且つ強いことはが沢山出来る能力だ。


そんな能力者がこんなDクラスの一員になっているとは考えられなかったのだ。


「そんな事はどうでも良いぞ!三浦!早く逃げるんだ!」


清島先輩が三浦先輩の肩を揺さぶり訴えかけるが、三浦先輩は容易にその手を払いのけ真剣な眼差しでこちらを見る。


すると僕の横にいた桐条が口を挟む


「...何故Dクラスに彼女がいるか?って事だろ?そんなの簡単だ、デメリットだよ、デメリット」





能力の中には、デメリットが存在する能力がある。


ちなみにそのデメリットがある時点で多々間川学園ではクラスが2個も下がってしまう。


デメリットは、堂理の自分も遅くなる、様なものから鼓矢の自爆の様に多種多様な種類がある。


軽いものだと、



お腹が空く、喉が乾く、など生理現象に関わってくるものが多いのだが、


悪いものになってくると、



15分間目が見えなくなる、一週間左腕が使えなくなる、などなど五感に関わってくるものが多くなり、


最悪の場合



使うと死ぬ、一生左目が見えなくなる、


そんな部位欠損や死亡などの酷いものがある。


そんなデメリットの他にも回数制限がある能力もある。


1日に5回しか使えない、一週間に14回...


などなど、想像できる様なものである。




「...ってことは、堂理...さんは能力を使うと、自分が動けなくなるって事でいいの?」


岸村先輩が聞いてきたので頷いてその問いを返す。


「ほ、ほら!は、早い逃げよう!」


やはり清島先輩が三浦先輩と岸村先輩を急かし、やっと逃げ始めるのだが...



パチッ!!


「「「「「っ!?」」」」」


バヂィィィィ!!!


いきなり大きな音がなったと思ったら金髪から大量の電気が流れ始める。


ヂヂヂヂッ!!!


今まで殆ど動いていなかった金髪の身体がゆっくりと、まるで亀が前に進んでいるかの様なスピードだが徐々に徐々に放電を続けている右腕がこちらを向き始める。


「不味い!!!」


岸村先輩が左腕を30mぐらい先にあった避雷針の方向へ向けて能力を発動させる。


避雷針の途中から馬鹿みたいに長い道路標識が伸びてきて一瞬で金髪と僕らの間に割って入った。



ヂヂヂヂヂッ!!!



金髪の右腕から僕らに向かって放電が始まるが、割って入ってきている道路標識の金属に反応し少しカーブする。


が、勿論全てが曲がり切るわけではないので少し地面に流れ僕らは感電する。


「ぐっ!」


感電し、僕らの殆どが力が抜け地面に倒れこむ。


それに不幸は重なる。


「ふぅーやっと動ける様になったぁ〜あれ結構かったるいんだよなぁ?知ってた?」


堂理の能力が解除されたのだ。


「ごめん〜ね?遅くしてる時に〜攻撃受けると〜一瞬で解けちゃうんだ〜」


そう言い終わった途端、清島先輩が声を出した。


「なぁ、もう3分たったぜ?やっと能力が発動できる」


そんな事を言うと他の先輩方も安心し始める。


「おっ、ついにか」


「ふぅ、せめてこれで一安心か」


「一体清島先輩の能力って...?」


そんな素朴な疑問を聞くと、自慢する様に能力の詳細を語り始めた。



「おらの能力は【絶対に目視不可オールド・ピンボール】、3分間のチャージが必要な代わりにジェットエンジンみたいな物を好きなもの、好きな場所に設置できるんだ、だから自分につけて加速したり石につけて相手にぶつけたりいろんなことができるんだけど...今は逃げることに全力で使うっ!!」


そう言うと、太った体の見た目に合わないほど俊敏な動きで僕ら6人の全員を見る。


「そんなことをする必要があるのか?」


そんなことを桐条は気になって質問をするが清島先輩に無視されてしまう。


だが、無視されたことを見てか、三浦先輩がその質問に代わりに答えてくれる。


「あぁ、清島の能力は見ることで発動するんだ、ちなみにジェットエンジンっぽいものってのはここの青く光っている部分ね」


そう言われて、三浦先輩の背中を見てみると青く光っている点があった。


「は、早く、行くよ!みんな、せーのでジャンプして!せーのッ!!」


清島先輩の急いでいる声といきなりの指示で困惑したが、問題なく全員が全員ほぼ同じタイミングでジャンプすることに成功した。


すると、足の裏に付いているジェットエンジンから少しのエネルギーが放出され体が宙に浮き、背中についたジェットエンジンから大量のエネルギーが出され、まるで一昔前のリニアモーターカーのような動き方で高速移動を始めた。


「おおぉぉぉぉ〜!」


ゴォォォォ...


と言う特有の音を発しながら動くのだが、


ヂヂヂヂヂッ!!


やはり金髪は早い、何を使っているのかは知らないがバカみたいな加速力で僕らと並走を始める。


が、いきなり自分たちの速度が下がり始めた。


「なっ、奴がなんかしたのか?」


そんなことを桐条が叫ぶがそこに清島先輩の説明が入る。


「言ってなかったけど、3分のチャージで1分しか動かないんだよね...この能力だと、それにこんな人数なわけだからここまで持ったのが逆にすごいと思って欲しい...なぁ」


「「なっ、ナニィィィ!?」」



「おらの能力は【絶対に目視不可オールド・ピンボール】、3分間のチャージが必要な代わりにジェットエンジンみたいな物を好きなもの、好きな場所に設置できるんだ、だから自分につけて加速したり石につけて相手にぶつけたりいろんなことができるんだけど...今は逃げることに全力で使うっ!!」


そう言うと、太った体の見た目に合わないほど俊敏な動きで僕ら6人の全員を見る。


「そんなことをする必要があるのか?」


そんなことを桐条は気になって質問をするが清島先輩に無視されてしまう。


だが、無視されたことを見てか、三浦先輩がその質問に代わりに答えてくれる。


「あぁ、清島の能力は見ることで発動するんだ、ちなみにジェットエンジンっぽいものってのはここの青く光っている部分ね」


そう言われて、三浦先輩の背中を見てみると青く光っている点があった。


「は、早く、行くよ!みんな、せーのでジャンプして!せーのッ!!」


清島先輩の急いでいる声といきなりの指示で困惑したが、問題なく全員が全員ほぼ同じタイミングでジャンプすることに成功した。


すると、足の裏に付いているジェットエンジンから少しのエネルギーが放出され体が宙に浮き、背中についたジェットエンジンから大量のエネルギーが出され、まるで一昔前のリニアモーターカーのような動き方で高速移動を始めた。


「おおぉぉぉぉ〜!」


ゴォォォォ...


と言う特有の音を発しながら動くのだが、


ヂヂヂヂヂッ!!


その音よりも大きな電気が流れる音が耳に飛び込んでくる。


やはり金髪は早い、何を使っているのかは知らないがバカみたいな加速力で僕らと並走を始める。


が、いきなり自分たちの速度が下がり始めた。


「なっ、奴がなんかしたのか?」


そんなことを桐条が叫ぶがそこに清島先輩の説明が入る。


「言ってなかったけど、3分のチャージで1分しか動かないんだよね...この能力だと、それにこんな人数なわけだからここまで持ったのが逆にすごいと思って欲しい...なぁ」


「「なっ、ナニィィィ!?」」


先輩方が大声で驚く。


どうやら制限時間がジェットエンジンを設置した数に比例して短くなって行くことを知らなかったようだ。


その後、勿論金髪に追いつかれる。


するとここで、脳内のマイクロチップに通信が届く。


小宮(兄)【おい!栗原!剛をどうにかする作戦会議をしたいんだ、今すぐに学園に来てくれないか?】


その通信は小宮の兄からの様で、要約すると学園に来いと言うものなのだが...


栗原 【行けるかぁぁ!!ただいま金髪の奴と戦闘中!まぁ、一方的に逃げてるだけだけどね!】


堂理【まぁ、そう言うことなので】


桐条【今すぐには行けないかもしれない、すまんな】


一人一個づつなるべく短い文章を送り逃走を再開したいのだが...


目の前には金髪がいるのだ。


身体から大量に放電しながら、黄金に光る大剣をたった今出現させた。


「今からお前らをこのまま____


いきなり金髪の動きが止まり視点を上の方へ動かし始める。


どうやら先ほどの僕らのようにマイクロチップでやり取りをしているのだろう。



____ん?なんです?はい、わかりあしたぁ〜お前ら屑の癖に運良かったんじゃねぇーの?」


そんなやっぱり見下すような視線を向け、踵を返すように商店街の方向へ歩き出し、金髪の靴が光ったと思ったらいきなり空へ飛んで行った。


「はぇ〜...って!早く行こ!小宮とかが呼んでたし!」


そんなこんなで6人は登校を再開しました。

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