リザレクション・ウェザー

第6話DクラスっぽいCクラス


「はぁ...負けかぁ」

「ああ、くやしー!」

「勝ったけど初っ端やられたから実感が湧かない...」


負けたチームは悔しそうに地団駄を踏み、勝ったチームは相手に大打撃を与えた鼓矢さんを褒めている。


「えーっと...先輩、これからは何をすれば...」


先生もいなくなってしまった


「何もしなくていいよ?別に学園にいてもいいし家に帰ってゲームをしてもいい」


「えっ、これで終わりなんですか?」


どうやら帰ってもいいそうだ


「あぁ、Dランクなんてそんなもんだ」


そう言うと一人の先輩は荷物を持ったまま下駄箱に行き、靴を履いてD棟から出て行った。


「はぁ、ど、どうやらこれでもう家に帰っても良いらしいですよ?」


そう僕は同じクラスの人に話しかける。


すると、


「うおおぉぁぉ!!」

「ゲーームターーイム!!」


奇声をあげる男子が数名と、ニヤニヤしている女子が数名現れる。


しかしその中にも


「本当に帰っていいのかな?」


「どうなんだろう」


不安に思っている人も度々いたが、そう言いながら全員がD棟から去って行く。


大体の人がいなくなってしまいぼーっとしていたがふと我にかえる


「........僕も帰ろ」


そう呟き、荷物を持ち靴を履いてD棟の扉を開けた途端...


「はっ!お前みたいなDランクが調子にのるな!!」


バァーン!!


誰かが思いっきりD棟の扉に突っ込んできた。


その人は、|C(オレンジ)の制服を着ていた。




「ん?あっ!お前は本物のDランクか!初めて見た!!」


僕の足元にはCランクの制服を着て、ボロボロになった少年、


目の前にはCランクの制服を着て体から青色の光を放っているあからさまにヤンキーな男。


どちらが悪人か一瞬で見分けがついた。


「やめてあげたらどうでしょうか?この人はCランクです、少なくとも僕よりかは強いはずでございます」

『なぜかこう言う奴は敬語にこだわるからなぁ...めんどくさいけどしない方がめんどくさいからね...』


「ほぅ...Dランクのくせに礼儀だけは知っているようだな」


上から目線で思った通りのことを言って来る。


『やっぱり...』


「だが、大事なことをお前は忘れてるぜ?」


「........」


「DランクごときがCランクに頼み事してんじゃねぇーよッ!!」


プチッ、


ここで僕の堪忍袋はきれた。


今更言うのもなんだが、僕はキレやすいタイプである


「はぁー、なるほどなるほど...要するに先輩はいつもBランクの人達に悪口や色々されているのでその鬱憤晴らしに僕らやこの子を虐めているわけですか...」



テキトーに言ったただの悪口だ、だがこの悪口は思わぬ形にまで発展してゆくのだ



「んだとぉ!?Dランクのくせに調子乗ってんじゃねぇぇぇ!!!学生証を出しやがれ!!」


なぜか怒りながら学生証の提示を求めて来る。


「は?学生証?何言ってるんですか?」


この質問は素だ


「はぁ?お前こそ頭に蛆虫沸いてんじゃねぇーの?学生証同士をタップするとその場で対戦フィールドが形成されて戦えるんだ!!そのぐらい教えて貰ったろ!!!」


「...あ、知らなかった、ありがとうございます!」


正直これは本心からのお礼である。


「取り敢えずタップしろ!!」


そう言って相手の方へ歩き出す。


すると足を掴まれる。


「待って...無理だよ、あいつはCランクの中だと強い方の能力者だ、種類は身体強化(青)だ...」


倒れている少年が必死に伝えようとして来る。


ちなみに能力の中では大体の種類分けがあり、



物質操作型


身体操作型


空間影響型



の大まかに分けて三種類があり、僕は身体操作型の支援型である。

その身体操作型の中に身体強化型も混じっているのだが、どこまで強化できるかによってオーラの色が変わり最後にそのオーラの色を書くことになるのだが、身体強化のランクと倍率は、


(黄) Dランク ×1.5


(黄緑) Dランク ×2


(緑) Cランク ×2.5


(青) Cランク ×5 ←奴はここ


(紫)Bランク ×10


(黒)Aランク ×30


(赤)Sランク ×50


(白)Sランク +15000



こうなっており、白以外は元の身体能力を倍にしてった感じになっている。


なので青色のオーラを持っている相手はCランクの身体強化型の中でも相当強い方なのだ。


「ふふっ、【蒼き玄武ブルー・バーサーカー】...」


ブァッ!


相手が物凄いオーラに包まれ、風が起こる。


「き、君の能力は?」


予想外の強敵にCクラスの人は僕に助けを求めてくる。


「僕の能力は自動回復と毒、完璧な支援型」


すると、彼は言いづらそうに口を開く


「...僕の能力は、盾、自分だけを守れる最強の盾」


正直驚いた、しかしCクラスにいる時点で何かしらの欠点があると予想する。


「.........」


「だけど...どんな攻撃にも一回、耐えられるだけでどんなに弱い攻撃でも一回受けると壊れちゃう...それにまた貼り直すのに10秒もかかる... Cランクの戦いだと致命的なんだ...」


実はクラス分けの中でも少しばかり特徴がある。


Sクラスはどんな状況下でも先頭を有利に進めて行けたり、一発逆転が狙えるような能力、


Aクラスは一撃が重かったり、少しの不利な状況でもうまいこと立ち回れるような能力、


Bクラスは支援型が多く、バフやデバフ、回復などの戦場に3〜4人いるだけで優勢が変わってくるような能力、


本来ならBクラスあたりに栗原は入るのだが、持続回復と書かれていなかったためにDになってしまった。



そしてCクラスは連続攻撃など、一撃は弱いが連続して攻撃できる能力がよくここのクラスに入る



「やるしか無いんだ...!」


そう言うと彼は学生証を取り出して、


「こう言う時はも戦わないと一生付きまとって来るよ、あいつはそう言う奴だから」


そう言って立ち上がる。


「二人で戦ってみよう、そして華麗に負けてやろうよ!」


「...うん、もちろん、1発でもいいからあいつの顔に拳をぶち込んでやる!」


そう言って二人で相手の学生証に自分たちの学生証をタップした。





ピピピッ!


《バトルモード》


《Cランク 来宮こいみや じょう・Dランク 栗原くりはら れい VS Cランク ごう 哲也てつや のバトルを始めます》


カウントダウン



5



4



3



2



1



0



スタート


「最初から決めるゼ?【蒼き玄武ブルー・バーサーカー】!」

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