王道展開
わたしたちは 賢姫さま率いる大魔宮殿侵攻部隊と共に、大魔宮殿の前に到着した。
五鬼たちが怪我させた人たちの怪我もすでに治っていて、主要メンバーは全員揃っている。
「では 行くぞい」
大魔道士さまが、無数のエネルギーボルトを放ち、大魔宮殿の門を破壊した。
大魔封陣のおかげで結界が消失したから、簡単に破壊できたんだ。
しかし、破壊された門から、
「「「グォオオオオオ!!!」」」
無数の魔物が出てきた。
しかし 賢姫さまは予想していた余裕の表情。
「やはり魔物の軍を出しましたわね。みなさん、これは大魔王の戦力が、もはやザコしか残っていない事の証明です。恐れることはありません。
聖女さま、貴方たちは破邪の戦士を引き連れて、大魔宮殿へ侵入してください。ザコは わたくしたちが引き受けますわ」
「わかりました、賢姫さま。では みなさん、行きましょう」
「かかれー!!」
「「「おおぉぉおおおー!!!」」」
凄まじい乱戦の中、わたしたちは大魔宮殿へ向かう。
しかし、そうはさせないとばかりに、無数の魔物が襲ってくる。
「エネルギーボルト、百花繚乱」
大魔道士さまが魔物の群れを迎撃する。
「ほれ、さっさといかんか。最後の見せ場は若いもんたちに譲ってやるから」
「ありがとうございます」
そして大魔宮殿の入り口に到着すると、オッサンのお父さんであるマッチョジジイが、
「しんがりは俺に任せな。あの臆病なバカ息子に代わって、ここは一歩も遠さねえ」
「頼もしいです、マッチョジジイさん」
「誰がジジイだ!」
なんか突っ込んでたけど、気にせずにわたしたちは大魔宮殿へ入った。
わたしたちは大魔宮殿の中を突き進む。
突入したのは わたしの他に、勇者やってる兄貴。
中隊長さんと姫騎士さん。
魔兵将軍と精霊将軍。
そして なぜか王子。
「王子、なぜに貴方がいるんですか?」
「ボクちゃんさまが 今度こそ 大魔王を バシッとやっつけちゃうに決まってるからじゃないかー。任せてよねー。華麗に倒しちゃったりするからー」
うん、いざとなったら こいつを囮にして逃げよう。
そうして 無人の大魔宮殿を進んで行ったのだが、中庭のような所に出ると、そこには無数の炉歩徒が立ちはだかった。
合計十六体いる。
形はチェスの駒をモデルにしているような感じ。
でも、コックピットに誰も乗っていない。
全て無人だ。
「魔兵将くん、これは?」
「すみません。僕が開発を進めていた、自動炉歩徒です。多分、僕の研究資料を基に、妖術将軍が成功させたのでしょう」
「まずいわね。大魔王戦まで体力を消耗したくないんだけど」
「ですが、電子知性は初期段階。それほど複雑な行動選択は出来ないはずです」
「でも、それって 故障とか気にせずに戦ってくるって事よね」
「……たぶん」
なんてこったい。
「困っているようだな、聖女よ。ならば、ここは 俺が引き受けよう」
上から声がして、その声の主が降りてきた。
「魔王! 無事だったんですね!」
そう、魔王と五鬼たちだ。
魔王は笑みを浮かべ、
「当然だ。おまえに救われた この命、安易に捨てたりはしない。核爆弾を脅迫材料に転移装置まで撤退したのだ。そして、おまえたちが再び大魔宮殿に乗り込むのを見計らっていた」
「ということは 参戦していただけるのですね」
「もちろんだ。このような思考もしていないザコは俺たちに任せ、おまえたちは大魔王の所へ向かえ」
そして 五鬼が爆裂破を放ち、チェスの炉歩徒が数体吹き飛ばされた。
「さあ! 行け!」
「分かりました。さあ、行きましょう!」
わたしたちは魔王に任せて大魔王の所へ向かおうとしたのだが、
「おっと、その前に」
わたしは聖女の力を魔王と五鬼に使った。
「ご武運を!」
そして わたしたちは走った。
「さあ、兄弟たちよ。俺たちの力を、愛を知らぬ男に見せてやろう」
「「「「「応!!!!!」」」」」
そして しばらくして わたしたちは大広間に到着した。
そこには 隠密将軍と執事。
「お待ちしておりました。ここは 私たちが お相手しましょう」
魔兵将軍と精霊将軍が前に出た。
「聖女さま、ここは僕たちが引き受けます」
「将軍との戦いは、同じ将軍でやろうではないか」
魔兵将くんと精霊将軍が、とても頼もしいです。
執事が不敵な笑みで、
「ふふふ、まあ 良いでしょう。聖女さま、貴方たちは通って良いですよ。もっとも大魔王様に勝てるとは思えませんが」
そして執事は小ぶりのナイフを、沈黙の隠密将軍は二本の小太刀を抜いた。
「魔兵将くん! 精霊将軍! ここは頼みました!」
わたしたちは脇を抜けて大魔王へと向かった。
わたしは悪友に熱く語る。
「参戦する魔王と五鬼! 将軍同士での戦い! 少年マンガの王道展開で胸アツな戦いはどうなる!? 次回へ続く!」
「ああ、なるほど。オチが付かなかったんだ」
「実はそうなの。ここはホントーにジャンルが代わったかと思ったわ」
「大丈夫でしょ。この小説、くだらないのが売りだから」
そんな感じで続く。
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