第26話 花屋の娘

あのだよと

夫が指さす方を盗み見た


小さな花屋の店先には

ポインセチアやシクラメン


すらりと伸びた美しい身体

くびれたウエスト


私にはないものばかり


ほんの一瞬の恋ならば

遊びだけの恋ならば


そう言い聞かせても

夫の恋を知りたくて


花屋の前に佇んだ

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