アテナ

seiya-tokyo

第1話 #漆黒のオオカミ

旦那であるナオキとともに、平凡でありながらも幸せな日常を送っていた奈々。


しかしある日、日の陰った代々木公園で偶然旦那の浮気現場を目撃してしまう。ショックのあまり立ち尽くす奈々。

突然、浮気相手が旦那を押し倒し、首を締めはじめた。

奈々は走り出し、止めにむかう。その瞬間、奈々の全身を光が包み込み、奈々は「HERO」へ変身した。

浮気相手は「漆黒のオオカミ」の姿へと変貌し、HEROへ襲いかかる。

HEROはオオカミを撃破。しかし、愛するナオキは息途絶えていたーーーー。



翌朝、ナオキと浮気相手は不審死として大きなニュースとなり、奈々の元にも警察が訪れて来ていた。不思議な事に、奈々のあの瞬間の記憶は完全に消えていた。当然HEROだった記憶もない。


数週間が過ぎ、奈々は職場へ復帰する。職場は印刷会社の事務。元々職場であまり馴染めていない奈々は、格好のウワサ材料とされてしまう。

「旦那が死んだのに、よく平気な顔して復帰できたわね。どんな神経してんのか分からないわ。」

ひとりの女性上司の言葉から、職場での陰湿ないじめがはじまる。


旦那を失った喪失感と、職場でのいじめ。日々の出来事で奈々は疲弊してしまう。



奈々は、仕事を終え、バー"brige"にいた。ここはナオキと出会った場所だ。

そこで偶然、1人の男性と出会う。男性の名はタカ。ナオキのいきつけのバーだったこともあり、よく2人で飲んでいたそうだ。

それからタカは、精神的に不安定になっていた奈々を気にかけてくれ、食事にいくなど、こまめに会うようになっていった。



ある日、奈々はいつも通りバー"brige"へ向かった。

不運な事に、そこには職場の女性上司がいた。

ひとりカウンターにすわると、わざわざ上司は奈々の横に移動してきた。アルコールが入っていたこともあり、直接的に吐かれる暴言。

奈々の目には、そんな上司の姿が「漆黒のオオカミ」へと変貌していくのが見え、奈々は反射的にHEROヘと姿を変え、攻撃する。


バーの中はめちゃくちゃになるも、オオカミは動かなくなり、見事に撃退。

しかし、戦いの最中、偶然居合わせてしまったタカに、その一部始終を見られてしまっていた。

動揺を隠せないタカの表情と、変わり果てたオオカミの姿。

奈々はいてもたってもいれず、窓から身をのりだしてその場から逃げた。

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