第2話 買い換えない。俺は修理する。
「げ、壊れたああ」
「早くスマホに変えろよ」
「は?俺はガラケーを突き通すんだよ」
「おっさんかよ・・・」
おれは絶対にスマホなんかに変えない。
スマホがお得?知らねえよ。アナログ人間?構わねえ。小学生から使っている慣れたものが一番いいのだ。ガラケー歴8年の俺が言う。
「わたしも、スマホ買ったんだ」
へえ、あいつもスマホ人間になったんですね。この前までつまんなそうな顔してたのに。
「ほら、このクラスでスマホ持ってねえのお前だけだよ」
「別にいいさ。俺は世界で一人のガラケー民になってやるさ。」
「時代退行してるんじゃね」
「時代の化石にでもなってやる」
軽い意地になっている。
「動画撮ろうよ!クラス動画!」
何がクラス動画だ。思い出残してもいつか恥ずかしくなるだけだろ。
撮って見返す日が来るんか?毎晩見て「さいこー」とか言うんか?可愛いとか最高だとか幸せーとかいつも言ってるけど本当にそう思っているのか?
「知らね。俺、パス」
「でた、意地っ張り」
なんとでも言え、俺は絶対にスマホにはしない。それよりも早くガラケー修理に出そ。
急いで教室を出た。
□□□□□
「これ、修理どれくらいかかりますか?」
店員さんはじっと携帯を見た。
「かなり古い機種ですね・・・。修理するより買い替えた方が早いですよ?」
そうですか・・・。でも使い慣れたものが一番良いんだけど・・・
「今ならスマホに変えると──」
「修理でお願いします」
「あ、はい。分かりました。」
修理には2、3週間かかるらしい。代替機をその間は使う。元々電話やメールしか使わないので困ることは無い。
でもよく考えれば修理する方が高くついてしまったのかもしれないがもういいやと店を出た。
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