それは唐突に

まきもの

第1話

そいつは、突然やってきた。


「私、この人と結婚する」


ちなつは固まってしまった


友達が(7歳上)が後輩(1歳下)を紹介してきた


パンクしながら


「まーちゃん?そいつは巨人なやつだよな?

そして背徳感満載?やないか」


まーちゃんは、ちなつが高校時代の教育実習の先生で

いじめられて来れなくなって教師の道も大学も辞め

今は個人経営してるとかしてないとか

巨人は知らない


ちなつは、今、25歳

まーちゃん今、32歳

巨人は、今24歳


「そうだね?ちぃちゃんの後輩らしいね」


クスクス笑いながら3日間だけ教え子だったね


「巨人は知ってたろ?まーちゃんが教育実習生だったの」


巨人は、全く覚えてないという


それもそうよねって思いながら楽しくお喋りしてた


「久々にまーちゃんと遊べる

思ったらでっかいおまけいるし

まあ幸せで何よりだけど」


巨人はニタニタしながら


「ほーらおチビヨシヨシ」


「まーちゃんに刺されてしまえ巨人」


そんなやりとりを呆れて眺めてるまーちゃんだった

いや止めろよ(笑)


楽のしくてしかたなかった


たった3日間だけの先生、

いじめられて嫌な思いでのはずなのに

楽しいそうに見える表情

まぁそれならいいけど

たった3日間の思いで話をし始めた


(回想)



「本来なら、朝礼で自己紹介する予定ただのだが

急に貧血を起こしたので受け持ってもらうクラスのみ

自己紹介してもらう。さあ入りなさい」


担任の先生は渋い顔をしながら教育実習の先生を呼んだ


凄く緊張しすぎて、顔色の良くない女の先生が入ってきた


「…はじめまして、小河 マヤです。教科は生物です

一週間という短い期間ですがよろしくお願いします」


たどたどしい挨拶して、職員室に戻っていった

社会の授業だったからである


第一印象は、気の弱い女の人に見えた。


気の弱いのは間違いではないが、

どうやら白黒はっきりさしたがりな人だった


校則は守るべきもの、一般常識くらいちゃんとしなさいだの

口煩い先生だった


そのせいで、たった数時間で生徒の反感をかい


休み時間ごとに職員室に生徒が数人ずつ押しかけ


手紙を渡して去って行く


側から見ればただのパンダ状態なだけ


その手紙の内容なんて他の先生は知らない


みんな口々に言うらしい、家に帰ってからだと


ちなつは、書かなかった。手紙は書いたけど

内容は普通のことだけ書いた

単なる同情からだった


たまたま同級生が落とした手紙を見てしまった


【全校集会の朝礼で挨拶出来ないくせに

一般常識だと押し付けて来ないでくれません?

ウザいです!!消えろ キモ

挨拶出来ない方が

よっぽど常識ないって親に言われなかったのかよ

いい歳こいたおばさんが死ねよ

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

全校生徒より】


こんな内容を何通ももらったら

耐えられないわって思ったとたん


その手紙を破り捨て、ちなつは

ちなつの気持ちを書いた


【先生へ

全校生徒全てが先生を嫌ってるわけじゃない

ちなつは、何も出来なくてごめんなさい

***○hirorinn@**・・に落ち着いたらチャトして

柳ちなつ】


先生が居ない時に鞄に入れた


(回想終)


「本当ちぃちゃん居なかったら

私人間辞めて彷徨ってたかもね」


ちなつの手紙で、やり直したいと思もってくれたらしい


「まーちゃん大袈裟よ。

ちなみに巨人はあ。

手紙書いてないから

結婚出来るわけだよな(笑)」


まーちゃんは、こいつは傍観者だからと言った

何故か納得出来た


どこか悲しそうな顔してたまーちゃんは

招待状を渡して帰っていった


かわりばない日常かと思ってたら

○○高グループチャットの招待が送られてきた


「グループチャットなんて気を使うだけやから」


めんどくさいから入らないでいようとちなつは


二度見して、即参加ボタンに切り替えた


何故ならば、大好きな先輩とファンの後輩の名前があったから


三芳先輩と後輩のひーちゃん


そしてタイミングよく幸せな文字が見えた


@mi

【二次会なら俺参加したい。】

@hi

【先輩が参加するなら俺も】

@hnt

【私も二次会参加します!!】

@hi&mi

【⁈】


何故だ?何故ひーちゃんも先輩も驚く

うなだれてたら


個人のチャットに更に何故だ?


@hir

【もしかして?めっちゃちなちゃん?先輩】


ひーちゃん⁉️

@hnt

【ヒッヒッヒッヒッひーちゃん!】


ちなつはこのまま?アレデジャブ?


@hi

【魔女っ子でしたか人違いでごめん】


@hnt

【何をどうしたら魔女っ子なのよ】


@hir

【あははは。ごめんなさい】


なんか笑われるしまぁひーちゃんだから許す


@hir

【それはさておき、ちなちゃん先輩

僕のファンですよね?高校時代から?】


@hnt

【⁉️】


バレてる⁉️なんで⁈


@hir

【クスクス。ありがとうございます。

ではまた先生の二次会で】


@hirさんは退室しました


え?それだけ?えー⁈何故だ?どこからもれた〜〜


と脳内で叫びながら夜がふける


一週間かわりばえしない日々を送って

休みの日に女子力高めてを繰り返し

挙式披露宴に参加するまであと二週間後

次の休みにドレスを買いに行って

髪のセットに化粧は当日プロがしてくれるからよしと


あれよあれよと言う間に前日の夜


「気合い入れてお肌のお手入れしながら

アロマでリラックスしながら半身浴」


キャットファイトでもするつもりかってくらいに

気合い入れて念入りにケア

だって、明日はひーちゃんに先輩にも会えるのだから

そしてのぼせる(笑)


翌日


「うわぁめっちゃ緊張するわー」


「何、お前が緊張してんだよ?受付でもない

主役ちゃうやん主人公だけど(笑)」


要らん事言わんでええねんお前


「うるさいわ。巨人といいクソガキといい」


あんなと一緒にすなって消えてた


巨人とクソガキは生年月日、生まれた時間が同じ

病院が違うくらいで

顔は従兄弟同士やからなんか似てるわレベル


「なんなほんまあいつら」


ぶつぶつ言うてたら


「仕方ないよクソガキだから」


あのいとこたちのクラスメートがそれだけ言うて去ってた


ほんまなんなのクソ後輩どもめ

ぶつぶつ言いながらチャペルに向かい

チャペル綺麗って眺めながら友達と話しながら

始まるのを待っていた

いざ始まると謎の緊張で連写に夢中

友達は引いていた(笑)


披露宴はめっちゃ手作り感満載の暖かい雰囲気だった


そしていよいよ二次会

メイクも直した。乱れてないか念入りにチェックもした。

完璧だ(笑)


二次会はひーちゃんと先輩がライブハウスを貸し切りにして

二人の計らいで信用できる人しか呼んでいなかったから

少なめだった。かえって気楽なので助かります(笑)


辺りは薄暗くなりスポットライトがステージを照らす

隅の方で小さな声でカウントするのが聞こえたかと思ったら

え?マジでコレひーちゃんと先輩がたった一度だけ文化祭で

コラボした曲だ⁉️確かに入場に適した前奏である

曲のタイトルなんだったかな?確か

ヒツジサマー!!

すごく不思議過ぎてそしてタイトルの割に素敵な歌詞だった


って気がついたらまーちゃん達登場して

ウエルカムスピーチしてるやん


巨人が何言うたかわからないけれど

まーちゃんがすごく衝撃発言したのは聞こえた


「ヒツジサマーは三芳君が

一目惚れした娘をイメージして

作詞して、辻君が若気の至りで

自らの名前にちなんだ作曲をして

出来上がった伝説の曲を今夜特別に演奏してくれました

二人に盛大な拍手のかわりに皆さまグラスを持って

乾杯」


謎の乾杯の音頭をとるまーちゃんは相変わらずで

それよりも一目惚れしてたコをイメージしてって

当日も不思議に思ってたけど

あの時と違うことがあった

歌詞の中にちなつって

文化祭の時はあの娘だったのに?

曲が生まれた秘話を披露するってことはまさか⁉️


「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー⁉️」


思わず叫んでしまった

ライブハウスだからマイクに

拾われ大音量で聞こえた叫び


「こらこら、仔羊ちゃん叫びすぎ。

というわけで仔羊ちゃんは初恋でした。」


今度は声にならない叫びと立ちくらみ仕掛けて


「大丈夫?ちなちゃん先輩。

だけどまだ倒れるには早いよ?」


スッと現れたひーちゃんが

支えてくれて更に囁かれた


「今もみよっち好きでしょ?」


ハイマイクと言わんばかりに渡される


無理よ無理だー!!


「…言えるわけないでしょ…

未だに好きでしかたっ…」


遅かった…ダダ漏れやん…

騙されたひーちゃんに

泣きそうだった


そんなちなつをお構いなしにひーちゃんは


「だってよ?みよっち」


ニヤニヤしながら先輩の方を見るひーちゃん


「というわけで仔羊ちゃんは

今日から彼女でフィアンセやから

手出したら許さへんで、間接的に泣かしても」


そう先輩は宣言した


でも今は先生の結婚式の

二次会やからガンガン行くよ


ってもはやライブとかしていた


相変わらずまーちゃんは音

が怖いらしく控え室で映像を見て

楽しんでたらしい


ちなつは浮かれ過ぎてほろ酔い気分


そして後日真実を知る


まーちゃんがたった3日間の先生だった理由を



後日談


ピローピローピロー

「はい。あーはい。はい。」


彼氏とひーちゃんに呼び出された


待ち合わせはカフェで着いたら謎の音楽を聞かされ

どんどん思い出して行く


あの日は昨日から寒波による影響で私は風邪引くてまいだった


ズビズビしてとりあえず冷えピタもらいたくて

保健室行ったらベッドで寝てなさいといわれ寝てたら周りがバタバタしだして一気に夢うつつの状態になった中で横になった


微かに聞こえた声


「男子生徒…インフルエンザの

…で連れて行きます」


「けどあなた、朝礼…いいの?」


「私はこの子らの…心配です」


そこから声はしなかった。眠ってしまったから


起きたら保健室の先生が

あなたも念のために病院行ってね近いうちに

そう言われた


親に連絡して迎えに来てもらいそのまま病院行った

ただの風邪だった。幸い処方された

風邪薬を飲んで悪化することなく症状が治まった

学校を休む事はなかった。


病院行った翌日学校に行くと

少しずつクラスがざわつき始め

休み時間毎にクスクス笑いながら手紙持って行く

そんなクラスメイトと生徒のオンパレードだった


翌日の朝誹謗中傷の手紙を拾って急いで書いて渡したんだ


「思い出した…まーちゃんは、

男子生徒を病院に連れて行く為に朝礼出なかったんだ」


そう言いながら、ちなつは号泣した

けど、彼氏にぎゅーされて過呼吸になるほどは泣かなかった


ひーちゃんが話し出した


「その男子生徒二人、僕とみよっちなんだよね…

デビューして間がない僕とデビューして人気のあるみよっち

先生は、僕を安静にさせたかったのとみよっちのファンが

出待ちのごとくわんさか群がってたから…

体張って守ったばっかりに女子生徒から目つけられてた」


それを聞いて納得した


だから主に女子ばっかりだったんだ。

男子はただおもしろがってからかってた。

そのあとひーちゃんの話だと


インフルエンザが治り学校に行くと

女子達が話してるのを聞いたみたい


【あの教育自習の女、教師も大学もやめたってよ】

【いい気味(笑)媚び売りまくり女が教育とかキモ!!】

【私達のみよし様に色目使った罰よ】

【これでみよし様にもひー様にも悪いムシがつかなくてよ】


聞いてしまったひーちゃんは、


《女子って恐ろしい》って内心思って吐き気がしたらしい


流石に、ちなつでもそこまでして人間を追い詰めたくないわ

怖い、女子怖いって身震いした


「先生は生徒想いのいい教師になりそうだったけど

人気者を守って生徒守ってただそれだけで…」


ん?


「ただそれだけだったのに

モンスターペアレントに攻撃され

夢も諦め大学も辞めさせられたんだ」


彼氏が付け加えるように話し出した。

ひーちゃんも驚いていたからモンペに

やられたのはひーちゃん知らなかったようだ


「とある男子生徒が虐めにあっていた

俺とひーのファンの女子達がたった一人に

よって集って殴る蹴るの暴力をふるっていた

誰も止めようとはせずにず…その生徒も訴えず

ただ耐えていたそんなある日を境に

暴力を振るわれなくなった。それは何故だと思う?ひー」


彼氏はひーちゃんに問い出した


「先生が男子生徒をかばったから?」


その答えに頭を振る彼氏

じゃ何故だ?と聞き返したひーちゃん


「先生が止めようとして注意した。

すると女子達はこう言った

【弱男、この女を汚す事が出来たら虐めないでやる】

そう言って高笑いをしながらバカにしていた

けれど、その男子生徒の虐めは無くなり

先生は先生でなくなた」


それが真実だというなら酷過ぎて笑えない


「あらやだ、みんな揃って思い出話?」


「先生⁈×2

まーちゃん⁉️」


仲が良いわね。ハモちゃって とか笑いながら言ってる


「もーそんな顔しないでくれる?何年前の話しよ(笑)

それと、三芳君又聞きに着色しないでくれる」


ちょっぴり怒った口調になったまーちゃん


「えっ?まんま話したけど?」


「そうね、着色された内容をそのまま話ただけね

真実は少し違うのよ」


いつもの焦った時の早口になってたから

怒りより恐怖が蘇えったんだなと気がつく


そして話してくれた


確かに女子グループは男子生徒に

条件を出したのは事実だけど

性的な話ではないし汚せではなく

脅して教師になれなくしろって内容だったから

男子生徒の声だけで私だけ姿が動画に残るよに細工して

そしてその動画を女子グループに見せ男子生徒は許され

女子グループの親が学校に怒鳴り込んできて

いわゆるモンスターペアレントが来たら学校は評判

気にするから、教育実習生切り捨てるほうが早いじゃない

って笑いながら話してくれたけれど目は涙目だった

それだけ話して去って行った


「背中が震えてるから仕方ないか」


そうひーちゃんがポツリと呟き静まりかえった


でもすぐ彼氏が明るくさせた


「ひー曲作りしてストレス発散や」


「えっ?みよっちと久々さコラボ?」


「ぷっ どんなストレス発散方法よ(笑)」


クスリと笑ったら


「笑ったな?ちなちゃん先輩笑ったからボーカル担当な」


「せやな。アリやな(笑)

今度のアルバムのシークレットトラックに収録や」


ケラケラ笑う二人と戸惑うちなつ


するとピローロン


《お。wktk そうなったら買うわ〜〜》


「もうーまーちゃんどこで聞いてんねん

ちくしょー」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

それは唐突に まきもの @fkm

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る