7 併発性系における実体機能

1. 物理法則は、それ自体は併発性系に属していないが、併発性と連動して機能する実体である。


2. 併発性系において何らかの働きかけを行った場合(例えば物を投げる)、併発性と物理法則が連携し、新たな実体(例えば物が地面に落ちた)を生成する。


3. 関係する実体の影響力の大小関係により、生成される実体が決定される。


4. 確率的事象は物理法則よりも影響力が弱い実体である。判定基準が細密になったり、母数が減ったりすると影響力が低下するためである。


補1. 項目7.2の「物が地面に落ちた」という実体は発生時刻を表す実体を伴ったうえで、宇宙の始まりにさかのぼって存在していることになる。項目4.補3を参照。


補2. マクロ的な物理現象が決定論的なのは、物理法則のような実体が併発系において強大な影響力を発揮しているからである。


補3. 時間が一方向にのみ進行するように見えるのは物理現象が決定論的だからである。なお「時刻」はこの働きに付けられた「ラベル」に過ぎず、時間が因果を推進しているわけではない。いわゆる「時間線」は存在しない。


補4. 時間とは時刻による順序関係で一列に並べられたイベント(C系列)ではなく、メッシュ状の実体関係のなかにある全ての実体のなかで「時刻」という実体が付着している実体のサブセットのことである。実体関係が薄い実体(例えば銀河の端と反対側の端で起こったイベント)間においては、逆創世(項目9を参照)によって時刻の順序が前後しうる。

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