第38話 文化祭(その3)

 漫研でヒドいめにあいました、はぁ……


 友香はそのまま漫研に残りです。

 多香子は陸上部のやってるプロテインカフェ(何それ?絶対行きたくない)に顔を出しに行きました。


 というわけで……

 私は淳子ちゃんと文化祭を回ります。


「ごめんね、お姉ちゃんの代理で」

「ううん、小雪ちゃんとこうやってるの楽しいよ」

「お姉ちゃんまだ頑張ってるのかな?」

「あはは……何がウケるのか判らないね?」



※※その頃の小春※※


「お帰りなさいませお姉さま方、ボクみたいな未熟者で申し訳ありませんが精一杯ご奉仕いたします(きりっ)」

「「「いや~、橋本ちゃん可愛い~♡」」」

「ねえねえ!壁ドンやって!」

「かしこまりました!壁ドン1丁入りまーす!」


 壁ドォンッ!

「注文なんにするんですか?優柔不断してないで早くしてくださいよ」

「と……年下のくせに……」

「年下だからちゃんと敬語使ってますよ?(グッと顔を近づけて)お姉さま……」

「コ……コーヒーをお願い……」

「大人ぶってコーヒーですか?苦いの大丈夫なんですか?」

「ホ……ホント年下のくせに生意気!」

「甘いものも必要でしょ?ボク、お姉さまが頑張ってるの知ってますよ?」

「え?」

「自分のご褒美に、ねっ?(ウインク)」

「じゃ……じゃあ……ケーキセット」

「かしこまりました、お姉さま」



「……」

「……」

「用意してたコンビニケーキ、マジで売り切れそう……」

「橋本姉の芸人スキル、まじパねぇ……」

 クラシックなメイド服を着たクラス委員長がみんなに指示を出します。

「関心してないで!手の空いてる人でケーキの買い出し行って来て!このまま小春を馬車馬のように働かせて売り上げナンバーワン目指すよ!後夜祭の表彰台に登るのは我が2-Aよ!」

「「「委員長鬼か!」」」

「あえて私はその悪名を享受する!小春は後夜祭直前まで休みなしよ!」





 私達は、美鈴ちゃんのクラスに来てます。

 美鈴ちゃんは入り口でプラカード持って客寄せ中みたいです。

「い……1-Cの『サウンドお化け屋敷』……です……皆さん……来てくださぁい……」

 赤いミニワンピースに短いマント

 ニーソックスにショートブーツ

 魔法使いだろうけど、あざといなー

 恥ずかしがりながらもプラカード持って宣伝する可愛い魔法使いの周りに人だかりができています。


「スズっち~♡ほらほらスマイルスマイル」

「ハイハイ笑ってスズっち~♡みんなが放っておかないよ~?」


 あー、声だけで顔見えないけどすべて理解しました。

 犯人はあいつらだ、うん。


 せっかくなので「サウンドお化け屋敷」に入ってみました。

 真っ暗な通路に蛍光テープの矢印が張っていて、それに沿って歩いていくだけ。

 お化けも映像もなく、純粋に音だけで怖がらせてくるみたいですが、さてさて……


「うわ……真っ暗……」

「結構……この時点で結構怖いんだけど……」


 ババババババババババババババババ!

 ギュイイイイイイイイイイイイン!

 バリバリバリバリバリバリバリバリ!

「ひいいいっ!」

「きゃああっ!」

 いきなりの爆音にビックリ!

「ひい……今の……チェーンソーの音?」

「暗闇で聞いたらこういうの怖い!」


 しゅぼっ……

 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!

「いやあああっ!」

「きゃあああっ!」

「今の何⁉バーナーの音?」

「意外に怖いよコレ!」


 がしがしがしがし!

「きゃあああっ!」

「氷⁉アイスピックで割ってる音⁉」


 べぇこん……えっぐぅ……だあぶるばぁがぁぁぁぁぁ……

 ほっかい……どぉぉぉ……わっか……ないしぃぃぃぃ……

「いやぁ!この声気持ち悪いよ!」

「バカな事言ってるのに怖い!」


 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!

「工事現場だ!」

「いやああああああっ!」



 2人抱き合って出てきました。

 単純なクセに結構怖かった!

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