第24話 尊い。

 いつものお昼休み


「んー……」

 お姉ちゃんが天を仰いで考え事をしています。

 賭けてもいいですが、きっとロクな事考えてません。


「いつからウチ等、こんなに尊い感じのグループになった?」

「やっぱロクな事考えてなかった!」

 すると、多香子が言いました。

「あー……そうだね?」

 友香まで同意してきます。

「そだよねぇ?ここに塔建てるの?」

「へ?どゆ事?」

「「自分たちをよく見ろ!」」


 お姉ちゃんのほうを見ると……

 淳子ちゃんが寄り添ってサンドイッチを食べてます。

 そして私ですが……

 正座してる私の太ももの上に美鈴ちゃんが頭を乗せて寝っ転がってます。

「うん!ナチュラルすぎて見逃してた!私ちょっとおかしくなってる!」


 淳子ちゃんが不安そうにお姉ちゃんを見上げます。

「あ……あの……べたべたするのって……小春ちゃんイヤかな?」

「え?うー……いや……イヤってわけじゃないけどさあ……」

「よかった」

 また淳子ちゃんがぴとっとお姉ちゃんに寄り添います。

 お姉ちゃんは困った顔で淳子ちゃんを見てますが、なにも言えません。

 おい姉!

 淳子ちゃんに甘すぎるでしょ!

 そりゃあ、淳子ちゃん気弱だし、怒鳴ったり突き放したりは出来ないけどさあ。

 いつもの天上天下唯我独尊傍若無人ぶりはどこへ消えた!


 そういう私も、ちょっと困ったな……

「えーと……美鈴ちゃん?あんまりベタベタするのは……皆も見てるし……どうかな?」

「私は気にしません」

 ゴロゴロ……

 この子はホントにネコか?

「そ……そう?あのー……私達とばかりお昼しないで、たまに同じ1年の子とも食べたらどうかな?」

「小雪先輩と一緒がいいです」

 ゴロゴロゴロゴロ……

 話が1歩も進まない!

「小雪、後輩ちゃんに甘すぎ」

「お姉ちゃんはそのセリフを言う資格はない!」


 ビシッと多香子&友香を指さすお姉ちゃん

「言っとくけど、アンタらも結構尊いぞ!」

「「そんな事ない!」」

「そんな事あるわっ!適度な距離取ってるつもりかも知れないけど、結構近いし!あと何?そのシンメトリーな感じの座り姿!お前らロールシャッハ検査の絵か!」


 多香子が反撃してきます。

「そ……そんな事ないし!そもそも小春と小雪が百合百合しいじゃん!」

 友香も反撃してきます。

「そうだよ!このけだものフ〇ンズ!君たちは近親相姦の上に後輩や友達まで食べちゃうフ〇ンズだね!」

「んな事ないっ!確かに小雪の胸はほぼ毎日揉んでるし、時々入浴シーンを激写しにいくし、冬場は寒いので時々ベッドに肉布団として拉致る。たまに寝起きを襲って、低血圧で起きれない小雪の血圧を上げてやってるけど、んな事ないっ!」

「「十分だな!」」

「お姉ちゃんバカなの⁉死ぬの⁉」


 不毛な議論が……


 しばらくすると……

「淳子……寝ちゃったよ……」

「美鈴ちゃんもだ……今日ちょっと涼しくて気持ちいいし」

「よく考えたら、この話の問題人物この2人だよね?」

「そーだよねぇ。我関せずって感じで気持ちよさそうに……」

「…………」

「…………」

 起きてる4人で顔を見合わせてしまいました。

 にやり……

 悪い笑顔です。


(以下、ヒソヒソ声で……)

「それではキマシタワー建設、ヘルメットよし。安全帯よし。足元よし。ご安全に」

「「「ご安全に。」」」


 寝ている2人を起こさないように、そーっと抱き合わせて……


「淳子の腕枕に後輩ちゃんの頭乗せて……」

「足も絡めて……」

「ブラウス第2ボタンぐらいまで外しちゃえ」

「淳子に顎クイさせちゃお」

「後輩ちゃんの手は?」

「淳子のスカートに入れちゃえ」

「肉食系だなー、後輩ちゃん」

「事後感出すのに、ソックスちょっとたるませちゃお」

「細かいなぁ、さすがエ〇マ〇ガ先生」

「うひゃ……すっごい偶然。ピンクとブルーのシマパンズだ……」

「見事なチラリズム。芸術的だなあ」

「もちっとスカートめくっちゃおか?」

「スラー、スラー、スラー、スラー、ストーーーーーップ」

「なんで小春、建設現場用語くわしいの?」


 建設完了

 百合雑誌のイラストみたいにエッチです。

「「「「尊いわー♡」」」」


 スマホで記念写真

 授業5分前に起こしてあげたら、2人とも真っ赤な顔して涙目で怒って来ました。

 キマシタワー建設4人組は、ゲラゲラ笑いながら逃げました。


 写真データは意地でも消さないよ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る