第六十四話 いろんな意味で美味しかった


 ふぅ、マジで焦った。


 竜人種族とかいう古代種族の生き残りが乱入してくるなんて聞いてないって。


 おかげで、せっかくジームスとの間でまとまりかけた話がぶっ飛ぶところだったってーの。


 でも、うちの最強嫁の武力100攻撃の前に、さすがの女竜人も撃沈して、改めてエルウィン家の鮮血鬼の強さを印象づけることはできた。



「んふぅううううううううううううううううううううううううっっ!!!!!」



 なんか獣の吠えるような声が聞こえたけど、ムシムシ。


 とりあえず、ヴァンドラ市議会の実力者であるジームスとの間に通商条約と相互防衛条約の協定を結ぶことに成功した。


 帝国金貨換算で年間三万五〇〇〇枚の定期収入を確保できたので、俺の機嫌は最高にいい。


 ヴェーザー自由都市同盟に属する都市国家の戦闘力は、小規模領主に毛が生えた程度で、エルウィン家の脅威になるものはいないし、山賊や野盗、海賊程度もうちの相手にはならない。


 アレクサ王国も地勢上、ヴァンドラに侵攻するには大きなリスクを負うので馬鹿はやらないだろう。


 兵を動員しての防衛は一年に一度あるかないかくらいだと、俺の方は試算している。


 まぁ、ぶっちゃけいくさが起きても、脳筋たちのいい血抜きになるからいいんだけどね。


 自分たちの領土は荒れないで軍事訓練ができるし。



「んぎぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!」



 もう、うるさいなぁ。


 でも、まだ関わるべき時ではない。


 あ、そうそう。


 捕まえて捕虜にした『鉄の腕輪傭兵団』の連中は、ヴァンドラ側からの引き出物として渡された。


 今は船倉に詰め込んで移送中で、エルウィン領に着いたら堤防作りと港湾作りに強制参加の予定。


 無料労働者をゲットできて、お財布にも優しいいくさになった。


 銀山開発で大奮発してるから、色々と節約できるところは節約しないといけない。



「んぎぐぅううううううううううううううううううんっ!!!」



 さっきから、獣のような唸り声が船室に響き渡ってるけど。


 実はコレ、例の竜人さんの声ね。


 うちの嫁とそのメイド長が色々とエロエロしてることで発生してる獣声なわけよ。


 最強の戦闘種族と言われる竜人も拘束されたまま、性欲大魔神のマリーダと、極悪Sメイド長の二人に翻弄されて状況なのよね。


 竜人さん、マリーダに気絶させられたあと、すぐに船に連れ込まれてたらしく俺が交渉を終えて戻ってきたら、奥の船室からずっとさっきみたいな声がしてる。



「ひぐぅうううううううううううううううううううううううっ!!」



 さっきチラリと扉の隙間から覗いてみたけど、鎧を剥かれた竜人さん、ベッドに縛り付けられててマリーダとリシェールからあんなことやこんなこと(自主規制)されてた。


 黒髪のおっぱいバインバインの美女がだよ。


 さすがうちの嫁は手が早いし、面食いなだけはある。


 あの二人の毒牙にかかると、ありとあらゆる場所の性感が開発されて、色んな意味で普通の生活が送れなくなる身体にされちゃうわけ。


 え? そう仕込んだのは俺だって?


 いやいや、俺はそんな酷いことしてないよ?


 二人の身体に教えてあげただけだし、それを二人が実践してるだけってこと。



「や、休ませて。お願い、だから、お願いぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」



 実に彼女はいい声で啼く。


 そういえば、まだ名前も聞いてなかったな。


 夜のお仕事の時にでも聞くとしようか。


 ブレストまでは破ったので、武力99確定の最強剣士様ゲット。


 鮮血鬼、紅槍鬼に続いて、イケてる厨二ネームを考えておかないと。


 黒龍牙とかいいかもなー。



「そこ、らめぇえええええええええええええええええ!」



 うちの嫁と嫁の愛人からの攻めは激しいようで。


 竜人族は身体が丈夫だときいているので、うちの嫁の激しい愛情も余裕で受け止めてくれるはず。


 あとは疲れ切った身体を俺が癒してあげる算段になっているんで、出番がくるのが楽しみだ。


 帰ったら仕事が山積みだし、フリンに任せてきたアレウスも寂しがってるだろうしな。


 色々と得る物が多い遠征になった気がする。



「ふぅ、アルベルトー出番なのじゃー。カルアの身体は極上。よい抱き枕だし、丈夫でそれなりに強いおなごじゃ。我が近侍の戦士として雇ってよいな?」



 奥の船室の扉が開くと、部屋の中から真っ裸のマリーダが俺を手招きしていた。


 あの竜人ちゃんはカルアって名前かー。


 マリーダが極上の身体って言うなら、さぞかし触り心地はいいんだろうな。


 さって、仕上げのお仕事に励むとしますか。



「よろしいですが、寝首を掻かれないようにしてくださいよ」


「そのしつけはアルベルトの仕事なのじゃ。妾はカルア愛でるだけのがいいのじゃ。我が家は妾の愛人の管理は旦那様の仕事となっておるからなぁ」


「へいへい、承知しました。面食いな嫁の愛人管理に励むとしますか」



 俺は招かれた部屋の中に入ると、その晩ずっと縛り付けられたままのカルアにエルウィン家のしきたりを教え込むことになった。


 竜人のカルアは純朴で、一途な子だったようで、翌日には噛んで含めるように教えたエルウィン家のしきたりに順応してくれた。


 マジで極上でした。


 え? なにがって? それはそちらの想像にお任せしますよ。


 ただ、竜人族は絶対に絶滅させたらダメな種族だと当主様が決めたので、発見即保護対象にしていされたことだけお伝えしときます。


 もちろん、カルアもいっぱい子供産んでもらうつもりだけどね。

 

 

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