第3話 幸せ
その後、お腹を空かせた2人はファーストフード店へと向かった。
「テラス席にしよ」
「うん、ゆめは何食べる?」
そこは店内の他テラス席でも食事が出来るようになっていた。
席に着くなり2人はメニューを確認した。
「うーん……カレーライス!」
「りょーかい! 俺買ってくるから待ってて」
幸哉は夢乃を1人残し店内へ入って行った。
──数分後。
「お待たせ」
「ありがとう」
出来上がった料理を手に幸哉が戻ってきた。
"いただきます"と声を合わせた2人は食べ始めた。
「んー! 美味しい!」
「美味しいね。ラーメン食べる?」
「食べる! カレーもどうぞ」
2人は互いに交換し一口食べたのだった。
「美味しかったー」
「また来よう」
「そうだね! でも、まだまだ遊ぶよ」
「うん。……ゆめ、俺たち付き合ってから3年……経ったね」
幸哉はテーブルに置かれた夢乃の手を握るとそう告げた。
「そうだね。3年はあっという間だね。これからもずっと一緒にいようね」
「うん、俺は……何があってもゆめのこと好きだから、ずっと一緒にいよう」
「あたしも……好きだよ」
照れくさそうに言う夢乃の頬はほんのり赤く染まっていた。
それから2人はいくつもの乗り物で遊んだ。
「ゆめ、俺あれ乗りたい」
「あれ? あ、いいね! 行こう」
2人は再び列に並んだ。
「あ、ねぇねぇ。ハートのゴンドラに乗るとカップルは幸せになれるんだって」
園内図を見ながら夢乃はそう言った。
「ハートの乗れるといいね」
「次の方、どうぞ」
係員に誘導され、2人はゴンドラに乗り込んだ。
2人が乗っているのは観覧車。
そして、ハート型のゴンドラだ。
「見てみて、ハートだよ」
「益々幸せになれるな」
「そうだね」
そして、ゴンドラはゆっくりと周り次第に頂上に近づいていく。
「あ、そろそろ頂上だ」
「ゆめ、大好きだよ。3年間一緒にいてくれてありがとう。これからもよろしく」
幸哉はそういうとポケットから黒い四角い箱を取り出し蓋を開けた。
「え、嘘……」
「手、貸して」
驚く夢乃の手を取り、幸哉は右手の薬指に指をはめた。
それはピンクのハート型のリングだった。
「ありがとう……幸哉」
「ゆめ……」
嬉し涙を零す夢乃の唇に幸哉は自分のそれを重ねた。
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