生まれる。


街中の喧騒に逆らって、ゆったりと過ぎていく時間。

新しく生まれた、君の熱。


終わりから運んできた贈り物を、大切に抱えて、明日へと手渡す。

そのようなことを、いつも、毎日、繰り返している。


なめらかな肌を、脱ぎ捨てたまま、大人になった。


チョコレートの甘味にはまだ早く、それでも確かに、甘やかな痛みが滲み始めている。


雪。遠い昔。

君の心を駆けたなら、その全てが、悦びだった。


本を閉じる。

しおりを抜き取る。

そのようにして、また新しく始まる。


隣にあるぬくもりを、失くさなかった苦しみを、またきっちりと包装紙で包んで、私は駆けていく。

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