もっとも簡単な、とある少女の殺し方
久遠悠
第一話 喜劇開幕
「なんであんたみたいな人間的に底辺どころか底辺以下の最低の屑がユイに話しかけてくるわけ誰に許可取ったの誰が許可出したのもしかして女装でもして女子の脱ぎたての下着盗んで嗅いで舐めた後に賄賂として大人にその下着渡して鼻水無様に垂らしながら床に這いつくばって懇願して靴でも舐めてみっともない姿さらして人の同情引いてユイに話しかける許可を手に入れたんでしょそうなんでしょ! それもう最低最悪のどうしようもない人間どころか極東の魔境の調理場に現れるっていう噂の黒光りしたアレ以下の生命体の屑だよね屑! 女子のシャワー室を覗くことが趣味で夜な夜な鏡に映る自分に陶酔してするような奴だもんね! この母なる大地の清浄な大気を吸い込んで糞みたいな吐息で汚染してるのはあんただもんね! こんなにも屑でヒョロくて臭くてうざくてとんちきな史上稀にみる死んだ方がマシなんじゃないのっていう生命がいるとしたらあんた! ここまで来るとあんたみたいな屑が生きているなんて冗談だよねっていうか冗談にしてよ誰の許しを得て呼吸してるわけ酸素無駄にしてるわけ!? この世界に生きる全ての命を踏みにじっているあんたみたいな生命が生きてること自体何かの間違いなんじゃないの!? これだけ言ったら理解して欲しいんだけどユイはあんたみたいな屑で糞でカスは大嫌いに決まってるの憎いに決まってるのすりつぶして絞め殺して刺し殺して水攻めにして海に沈めてあげるから二度とユイの目の前に現れないで呼吸しないでもう一回言うけど死んでそこの屑!」
――まさに怒涛の勢い。
これほどまでに見事な悪口を吐かれたことがない彼は、その暴言の数々を前にただ圧倒されたように立ち尽くしていた。もはや傷つくとか驚くとか感心するとか、その次元を通り越した罵倒である。
これ自体は大したことではなかったのかもしれないが。
間違いなく、ユイ・メルセンヌとの関係はここから始まったのだ。
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