第3話とき

残像に巣食う蛍、振り払った刹那に霧散する。間延びした欠伸に取って代わる陽光の宴は紫煙に変わり、それでも差し込む一閃は穴の開いた襖。瞳細めて可愛がる姿を翳に堕とした。けたたましく呼ぶ声を澄まし聞いて、時は止められず留まったまま微睡んで有りたいと身を抱きして独りきり、嗚咽を漏らす。

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