第13話 真実が明るみに

 「…!!?」


フィリップは信じられない光景を目の当たりにした。


なんと、照明器具が落ちた場所に咲がいなかったのだ。


「咲…!?おい、咲!?」


名前を呼んだが、返事は無い。

しかし代わりに、何処かで見たような人達が現れた。


「あの女の子の場所なら私達が知っていますわ。」

「僕達についてきて下さい。そうすれば、真実がわかります。」


「!?…貴方達は…確か薫さんと、美世子ちゃん!?」


「…ええ、とりあえず急ぎましょう!!」



咲はずっと部屋に籠もっていた。何もかもする気が失せて、全てどうでもよくなっていた。


しかし、オーディションを受けた専門学校のパンフレットを見ていると、何故か母親の名前が出てきた。

今では演劇や芸能界を嫌う母親の名前が、何故…?


もしかしたら、と咲は息を呑んだ。

母は専門学校を卒業した後、何処かで失敗したのではないだろうか。


私のやりたい事に反対するのは、自分と同じような事を経験してほしくないからだとしたら…


「咲?勉強してるの?いいかげん、そろそろ志望校を決めて…」

「ママ。やっぱり私ここへ行きたい!!」

「咲!言ってるでしょ!家にはお金が無いの!!」

「違うでしょ!?お金が無いんじゃない。ママは私にママと同じ挫折を経験してほしくなかった、違う!?」

「何故それを…?」

「何故?私がききたいわ!何故ママは自分じゃないからって、自分の子に駄目と言うの?私はママのお人形じゃない!私は私だよ!?どうしてわかってくれないの!?」

「そんな…」


咲は怒り狂っていた。そして母にむかっていきなり平手打ちを喰らわせた。

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