#フォエム52 『音色』

鈴の音を桐の箱にしまう

囀りも喚きに転回するひととき

音色の階段で楽に喰らうともに甘い飴


はらはら満ちる海に、

さらさら凪ぎの旋律が、舟に乗る

浮遊する金銀の閃光に奔るが如く

仰ぐ風を感じる虚勢

天の流れ星に委ねる彼方に

堕ちるプレリュード


愛してると

大嫌いと

さようならを

幾星霜も旋廻する


朝瀬さすれば小鳥は新たな聲を囀る

浅海さすれば深海の鯰は拍動を遷し


心地好い障りに酔いほどに揺蕩う

妙長の満ち欠けのうた

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