第190話 #詩人の本懐 「海月」

#詩人の本懐 「海月」


羽を詰めたふかふかの海に

私の瞼が落ちるまで、

冷たくとも暖かい闇が私を誘惑し

惹き擦り混み、終わらせようとするから。


啼いて腫れた涙の海は、窓辺に見知らぬ景色を移し

今、ひとつき半分で

本当の自由を買い全て解き放つ。

静寂に空が泛ぶ月、海面に落ちるまでのひととき、

忘れていたクラゲの気持ち

私は凪いでぷかぷか揺蕩いて、掬われて海に還る。


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