第137話 涸れる木々に潤いを湛える


涸れる木々に潤いを湛える

指先は悴み井戸は凍り果て

春の菜の花に夢を馳せ抱く

幾許も無い生命たちは屹度

遠い夢を挙げ叫び手向けた

奇しくも名を残す聲なき唄

唯一鳴いてくれる天は兢々

陽を示して土に還す素振り

本当の私は個個にうまれる

膿んだ空に落下する蝶々は

輪廻を指して妬いて暮れる

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