第112話 戦わず簡単に手に入る 安売りの真空パックの通り
戦わず簡単に手に入る
安売りの真空パックの通り
今日も曇りの馴染んだ日常
天上のシミて浮き出た
虚ろなお日様に
夏服のカゲロウは
お喋りに花が咲くが
引き出しの隅に置かれた
樟脳の馨りが
もう戻れないと悟る
ふけただけ あゝふけただけ
かわれゆくえがおかし
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