名前考え中。。。

下園 悠莉

大きな傷。








「 園田くん!、あの子の容態は!? 」




大人たちは立ち上がり。

華奢な彼女へ問い詰める。


これは、大事故が起きた。

人の知れず起きた大災害。

その後の会話である。


一同が同じ時間に

勢いよく立ち上がり。

同じ事を彼女に問いかけた。


彼らも皆、救いたかったのだ。




「 今は、なんとか落ち着いています・・・


  ・・・ですが・・・。 」



聴者は、それを聞いて

吐息は、漏らせなかった。

彼女の陰りのある表情で、分かっていたから。


とても笑えない状況だという事は。

とても笑えない結末になってしまったという事は。



生唾を飲み込む。





「 やはり・・・、相当、衰弱していますね。


  ・・・彼が、何処まで知ってしまっているのか。

  何処まで、知らないのか。 」




「 彼の・・・


  ・・・親族は? 」




今度は、彼女が聴者に問い掛ける。

離れられない間に、他の仕事を任せていたからである。








「 ・・・ 」







然し、答えは悲惨なものだった。


聴者は、節々にその表情の薄い影を深くして。

瞳を落とす。


首は

横に振られていた。




分かっては居た。





分かっては・・・。






居たが・・・。









「 血族も、親戚も

  全てやられた。 」


「 残ったは・・・ 」




「 ・・・彼、一人だ・・・ 」







「 そんな・・・ 」









余りにも残酷な結末だった。

少年は、親を知らず。

その上で、奪われたものも多い。



酷い。


余りにも、それは。



酷い。






彼女は泣き崩れた。

泣き崩れなくは、居られなかった。














「 園田さん・・・! 」









仲間たちが駆け寄る。


彼らも、泣いていた。



悔しく。

悲しく。

悔しく。

酷く。

そんな。




そんなの。













彼は純粋だ。



優しく。

暖かく。


誰かを照らし。







本当なら。



本当なら。

















  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

名前考え中。。。 下園 悠莉 @Yuri_Simozono_2017

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る