運命のカルナ ~誰も知らない雲の都市~

紫空ソラ

プロローグ

第1話─誰も見た事のない天空の世界

*空中に浮かぶ謎の都市*


近年、世界中で空に浮かぶ都市が目撃されている。


「密度の異なる空気で光が屈折することにより起きる蜃気楼ではないか」


と科学的に分析するものもいれば、


「パラレルワールドが見えたのではないか」


というものもいる。


様々な憶測が飛び交わっているが、今のところ


その都市が何なのかは誰も分からない。



ここで、1つ面白い話を聞かせよう。


昔の昔の昔の大昔、天に浮かぶ都市があったという。


その都市は文明が築き上げられており、戦争や争いのない、誰しもが楽園だと思うような、そんな場所だった。


その都市の名は、*空雲都市くううんとし


空雲都市は10都市あり、それぞれ形や大きさが全く異なり、そこに住む人々の生活も違っていた。


そして、この空雲都市の存在している雲の上の世界は、真っ白な雲と真っ青な空に囲まれたことから、白雲世界はくうんとしと呼ばれていた。


この白雲世界には空雲都市に住む天空人てんくうじんと、彼らを大切に守っている仙人がいたという。


仙人たちは、天高くそびえ立つ蓬莱山ほうらいさんという山から仙術を使い、空雲都市に雨や光を宿し、災いから守っていた。


このことから、天空人は仙人のことを神様と慕い、敬っていた。


この不思議な白雲世界は、ある石を中心にして成り立っている。


その石の名は仙命石せんめいせき


蒼く光り輝く六角形の仙命石には、仙術が宿っているとされていて、天空人にとっては命と同じ位に大切な物。


天空人は生まれる時に、この仙命石を手に握って生まれてくる。


仙命石により、天空人は雲を掴むことや歩くこと、つまり生きる事ができる。


そして仙人たちも仙命石によって、仙術を使うことができる。


さぁ、語ろう!




誰も知ることのない、遥か昔に存在した白雲世界の話を!


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