鬼頭家のバレンタイン🈗
これまでのお話〉
鬼頭家のキッチンにて。シルバーの調理器具をズラリと並べた鬼頭先生がお料理を始めようとしたところ、鬼頭医院助手の森屋くん(でんわ)、かがり町の浮浪者藤田奇太郎(生訪問)と、次々にお邪魔が入ります。そして週末ですので、同世代のおともだちからも、飲みのお誘いメッセージがラッシュします。
「鬼頭先輩! 今かがり町の大人横丁で、児玉さんと飲んでいるんですが、財布に現金つっこんで、ふらっと出てきませんか?」というのは、後輩の山形厳蔵から。
「鬼頭くん、いま何していますか。私、厳蔵くんに捕まってしまい、市中引き回しのうえ、酔攻めの刑に遭っています。黒ビールまみれの哀れなこだまを助けると思って、大人横丁までご足労頂けませんかねぇ……」と、こんなSOSを発信してきたのは忍の小学校の担任教師、こだまたまただです。
鬼頭先生は、こんなやつらとお酒を飲む気も、自宅へ呼び込む気もありませんので、忙しいふりをしてがん無視する事に決めました。ちなみにメッセージの中には、綺麗な鷹史から「【至急】しのちゃんの写メ送って!」というものも紛れていたのですが、一切気づきませんでした。
そうこうしているうちに、お夕食準備もほぼ完了です。
久々の調理でも手際良く、さらには鏡に映った自身の姿(クッキング・スタイル)を見て、鬼頭先生は自分で「恰好良いな」と思いました。そのまま何時間でも見つめていられますが、そうだった、おこさまの忍がお風呂場で “ゆでしのぶ” にならないうちに呼びに行かなくてはいけない、と気づいたのです。
「結構、長湯だな」と思いつつも向かっていくと、浴室に反響する子猫の声が聞こえてきました。
その㉓ 【かがりっこの、お風呂歌♪】
▼ カポーン…………
あーさのこーねこーは よーくなくよー
まちのみんなに あーいさつするよー
(*σ - σ)♪
~~~~~
鬼 頭「お山もめざめて 風をおくるよー」
ψ(*`▽´*🚪ジャーン♪
(*σ - σ)!
~~~~~
さあ今日も歩もう ともに学ぼう
かがりちょうの かがりしょうがっこー♪
▼ かがり小学校の校歌(斉唱)
鬼 頭「悪ィ。ノックしたんだけど、返事ねぇから入ったわ」
しのぶ「きとうさん。これ小学校の校歌だよ、うたえるの?」
鬼 頭「もちろん。だって俺、かがり小学校だったんだぜ✧」
▼ 物静かな黒髪美少年でした。by鬼頭精一郎
しのぶ「たか史は、うたえなかったよ?」
鬼 頭「ああ、鷹史は都心生まれだからな。
しのぶ「ごんぞうさんも、しらないって」
鬼 頭「厳蔵は……あいつ、かがり町の生まれだけど、育ちが違うんだよな。野生まる出しの動物学校で人間科の教育をゴリゴリに受けて、高校でやっと、人里戻ってきた感じだったか」
しのぶ「?よくわからない?」
鬼 頭「まあ……それよか晩飯な。あと肉焼くだけだから。そろそろ風呂あがりな、忍」
しのぶ「うん。お先すみません、とってもいいお湯でした」
鬼 頭「おう」
その㉔ 【の、まえに鬼頭家のドライヤー💈】
▼ ぶおおおおおおおお(※静音)
しのぶ「ありがとう、きとうさん」
鬼 頭「いいよ。髪のボサついた男はモテねーからな✧」
▼ ちゃっかり髪を乾かしてもらう、忍
しのぶ「きとうさん、“……きれいなお兄さんは、すきですか?”」
鬼 頭「ハイ」
▼ 即答(即答)
しのぶ「そうじゃなくて、うちのドライヤーだよ」
鬼 頭「ああキャッチか。へー……鷹史それ使ってんだ……という事は、」
(*`▽´*)。o( 綺麗な鷹史🔞『鬼頭さん……(🔞)綺麗なお兄さんは、好きですか?』)
鬼 頭「へー……いいじゃん。鷹史はちょっとこう、だらしなくはだけた感じで、髪を乾かしてて欲し…… Σハッ」
▼ じっ(鏡ごしの視線)
(σ - σ) `▽´ ) アッ ―
鬼 頭「Σも、もう一度……そう、かがり小学校の校歌でも歌おうか、忍くん✧」
しのぶ「いいよ。じゃあこんどは、二番ね」
鬼 頭「あ悪ィ。二番とか、歌詞忘れたわw」
しのぶ「むむ」
その㉕ 【おとうさんの想い出】
鬼 頭「ちゃんと校歌おぼえてるんだな、忍は」
しのぶ「うん。入学する前に、おとうさんが教えてくれた」
鬼 頭「おと…… ああ、隼人が」
しのぶ「さっきみたいに、お風呂でいっしょにうたったよ」
鬼 頭「そうか俺と隼人、あと松雪なんかが、小中高とかがり町だぜ。忍も同じように学校上がっていくんだろうな。もう小2だっけ、早ぇわー……ついこの間、生まれたばっかと思ってたんだが(遠い目)、おし……完成✧」
しのぶ「きもちよかったです」
鬼 頭「おう、鬼頭さんゴッド・ハンドだか――ら?」
しのぶ「……」
鬼 頭「忍?」
▼ ちょっとした沈黙
しのぶ「……おとうさん、もうずっと会えないのかな」
▼ 忍の父、観月隼人が急逝して数年経つ
しのぶ「なんでもない。ごめんなさい」
鬼 頭「なあ忍……この匂いは、好きか?」
▼ ガラス棚に飾った香水を取りだす、鬼頭先生
しのぶ「?」
鬼 頭「コレさ、隼人が使っていたものと、同じのなんだけど……」
しのぶ「よくわからない、いいにおいなのかな?」
鬼 頭「同感。俺の好みじゃねーから、持って帰って」
しのぶ「え、いいの」
鬼 頭「いいよ」
しのぶ「ありがとう……?」
鬼 頭「じゃ、飯にしよっか。肉焼こーぜ、肉!」
しのぶ「ビーフ!」
その㉖ 【肉を焼く最中ずっと忍が張りついていました】
<本日限定! 鬼ディナー🍖しのぶくん歓迎会>
乾杯ニャンメリー
炙りささみ
温野菜とセロリのディップ
オニオンスープ
ポテサラ
チーズグラタン
人参グラッセ(勘で作ってみた)
ステーキ和牛
フジタライス
白サラミ
チーズ盛り合わせ
鬼プリン(鬼頭家レシピ🍮)
✧。 ψ*`▽´*) 🥂 (σ - σ* 。✧
鬼 頭「では忍くん、乾杯!」
しのぶ「わあ……かんぱい!」
▼ 鬼頭先生はシャンパン、クープ・グラス派
鬼 頭「ニャンメリーってこんな甘いのか」
しのぶ「きとうさんおさけ、のまないの?」
鬼 頭「おう。鬼頭さん、今夜はノンアル」
しのぶ「気をつかわないでください」
鬼 頭「俺、別に酒飲まなくても平気な人種だから✧」
しのぶ「Σたか史が聞いたら、ひっくりかえるよ」
▼ 酒癖の悪い住民代表、鬼頭精一郎君
✧ψ(*`▽´*ψ{基本記憶がございません
その㉗ 【しのちゃん vs 肉】
鬼 頭「さあ、肉はどうかな?」
しのぶ「ふぐぐぐぐ……!(噛みちぎり)」
((( σ 🍖 σ #)))
鬼 頭「Σナイフ使ってやれよw」
しのぶ「ナイフとフォークってあんまり使えない////」
▼ しのちゃんの、野性な一面
鬼 頭「じゃ、じゃあ……今のうちから、おぼえていこうな」
しのぶ「うん……(もぐもぐ)おいしいね、きとうさん」
鬼 頭「だろォ✧ しょうがねぇな~、肉を切り分けてやろう!」
しのぶ「やさいの、これはなに?」
鬼 頭「セロリ……って、おもむろに嫌そうな顔をするなw」
しのぶ「あれ。きとうさん、ごはんは?」
鬼 頭「ああ俺、夜は米を食わないんだわ」
しのぶ「おなか、すいちゃうよ?」
鬼 頭「なんだ心配してくれるのか。大丈夫だぜ」
▼ 十年後の肉体美にきちんと反映されている、鬼節制✧
鬼 頭「しかしよく食うじゃん忍。お前、デカくなりそうだな」
しのぶ「なれるかな……、 っ」
鬼 頭「よし、鬼頭医院が生涯監修してやろう✧」
しのぶ「きとうさん、」
鬼 頭「遠慮すんなやハッハッハ✧」
しのぶ「きとうさんきとうさん、」
鬼 頭「なんだなんだ✧」
しのぶ「歯……ぬけた」
▼ 乳歯ぽろり
(*σ - σ*) 🦷
鬼 頭「エッ……」
▼ 鬼頭先生の、歯抜けスロットGO
(*`▽´*)?。o(〖喧嘩:薬物:強酒〗ガシャン)
↓
(*`▽´*)?。o(〖ガキ:薬物:強酒〗ガシャン)
↓
(*`▽´*)?。o(〖ガキ:ガキ:歯磨〗ガシャン)
↓
(*`▽´*)💡。o(〖ガキ:ガキ:ガキ〗ピロン♪)
※最低
鬼 頭「おお! ……おめで とう(?)」
しのぶ「ありがとう」
鬼 頭「で、このタイミングで普通に飯を再開するのか」
しのぶ「うん」
鬼 頭「冷静だな。一応、保存処理しとく?」
しのぶ「歯だよ、ただの」
鬼 頭「うん知ってる。」
▼ 持って帰ってきて♡ ゼッタイ!by鷹史
その㉘ 【忍は、ぺろりと平らげました🍴】
しのぶ「ごちそうさまでした」
鬼 頭「食後のプリンあるけど、食う?」
しのぶ「うん!」
(*σ - σ♡🍮*`▽´*)୨{俺作ったんだ、褒めろ✧
しのぶ「(ぷるもぐ)ところできとうさん。ごはんは食べないけど、夜のおやつはいいの?」
鬼 頭「Σウン、……いいから食えや////」
▼ ヤンキー・プリンスキー
しのぶ「ねぇきとうさん。DVDもってきた、見ようよ」
鬼 頭「おもむろに何。鬼頭さんとの会話つまらなかった?」
しのぶ「ううん、いっしょに見たい」
鬼 頭「あそう……持ってきたやつを、取りあえず流せばいいのか?」
しのぶ「うん」
▼ スッ (しのちゃん秘蔵『ねこまみれDVD』)
鬼 頭「忍は俺を、猫で洗脳したいのかな?ʬʬ」
しのぶ「あの……ふじたおじさんが買ってくれた、あまいポップコーンも食べたいな」
鬼 頭「へ?」
しのぶ「きとうさん。しのぶ、ポップコーンも食べたい」
鬼 頭「お前なァー……;」
▼ 今も昔も、おねだりに弱い鬼頭先生
(*σ - σ🍿*`▽´*){もう今日だけだからなッッッ!
その㉚ 【きとしの、DVD鑑賞かい?】
▼ リビングに移動しました
鬼 頭「ほら好きなところ座れー Σえ、ここ⁉」
しのぶ「?」
▼ ソファに座った鬼頭先生の、足の間に座る忍(小2)
鬼 頭「すまんちょっと、距離感わからん」
しのぶ「ポップコーンいっしょに食べるから……」
鬼 頭「なるほど。ガキいると、こうなるか」
しのぶ「ごめんなさい。たか史がいつもくっついてくるから;」
鬼 頭「なにその情報普通に羨ましいんだけど(早口)」
しのぶ「うら……?」
鬼 頭「ハイじゃあ今夜は、鬼頭さんが、忍くんを独占してやろうじゃねぇーか」
▼ すかっ(だっこ未遂)
鬼 頭「アレ?」
しのぶ「ねこを、見てください」
▼ グギッ 頭の位置を固定される、鬼頭先生
鬼 頭「わかった。が、ポップコーン1粒だけ食わせて……」
しのぶ「いいよ」
そうして延々と、世界の美猫映像が流れてく――
(ねこ洗脳しどう Lv:🍿)
美猫、美猫、美猫まみれの美猫祭り――
(ねこ洗脳におちていく Lv:🍿🍿)
だんだん美猫、崇めたくなっていく――
(ねこ洗脳ぬまる Lv:🍿🍿🍿)
鬼 頭「あのさ忍、俺は猫わからないから説明して欲しいんだが;」
しのぶ「……」
鬼 頭「おい忍?」
しのぶ「すぴこ。」
鬼 頭「Σψ(*`▽´*ψ な!」
▼ 寝ぇてやがるコイツ―――――ッッッ by鬼頭精一郎
その㉚ 【おやすみしのぶ 🌙】
鬼 頭「よっと、」
▼ 二階、主寝室へと運んできました
先ほど忍の入浴中に、急ピッチでベッドメイクしておいた主寝室のダブル・ベッドです。ごはんを食べたらこどもは眠くなるものだろうと予想をした、まさにその通りとなりました。鬼頭先生の美しく鍛えあげた胸筋を枕にすぴすぴと眠る忍は、何をしても起きる気配がなく、もうそのまま寝かしてしまおうと決めました。
鬼 頭「どっと疲れたわ……お互い、慣れない事はすべきじゃねーな」
▼ そっと部屋を出ていく、鬼頭先生
その㉛ 【バスタイム☆はぷにんぐ🚿】
▼ 消灯
フロアライトのみとなった鬼頭家に響くシャワーの音……。
諸々後かたづけを終えた鬼頭先生のバスタイムです。普段の週末であれば考えられないほど健全な時間帯ですが、気疲れからか、忍の眠気がうつってしまったようです。
鬼 頭「ハア―…………(疲)」
頭からシャワーに打たれながら、一日をふり返ります。
まずはクリニックで、綺麗な鷹史に
次に、おとなしい子と思っていた忍は意外とやんちゃでした。もしも、
ところで、窓の外に見える偲び川の先の夜景は、遠い昔、かがり町のこどもたちが皆憧れていた場所です。鬼頭先生も一度、川向こうの都心へと出ましたが、結局この町に戻りました。
それを一番に伝えたかったのは、もういないひと――ずっと都心に憧れながらも、偲び川のほとりに立ち続けた忍の父親のことを想い出してしまい、なんだか虚しい気持ちになりました。
あれから数年。時は静かに流れているのです。
鬼 頭「……あがろう!」
▼ キィ (湯気ぐもりのガラスドア、オープン)
しのぶ「あ、タオルどうぞ……」
鬼 頭「おう。ありがと…… ?ウエッ」
(*σ - σ) (*`▽´*♨){……、
▼ トゥクン…{脱衣所で、バッタリ遭遇♡
鬼 頭「Σぎゃあああああなんでいるんだオマエーッ」
しのぶ「わぁごめんなふぁい。歯みがき、忘れたのへ(しゃかしゃか)」
鬼 頭「おう……しっかり磨けや!(腰バスタオルまきまき)」
しのぶ「すっきり。ではおやすみなさい」
▼ しのづかダッシュ
しのぶ「あ、きとうさんきとうさん」
鬼 頭「(戻ってきた……;)」
▼ しのづかリターン
しのぶ「か、からだ……かっこいいね////(眩)」
鬼 頭「お小遣いをやろう!」
▼ パァァァァ…(※忍VISION)
\綺麗なお兄さんは好きか/
☆✧。 ː̗̀ ψ(*`▽´*)> ː̖́ 。✧☆
≣*σ - σ){……後光!
その㉜ 【真夜中の、きとしの💤】
しのぶ「すぴー……」
鬼 頭「アレ、なんだ寝てんのかよー」
▼ やっと主寝室へきたのに、忍は熟睡中
鬼 頭「ベッドで待っててくれたんじゃねーの?(※最低な囁き)」
鬼頭家の主寝室は、カーテンがありません。やわらかな月明りが差し込み、すやすや眠る忍のお顔を優しく照らします。広いベッドにもかかわらず遠慮がちに端のほうで眠る忍に、鬼頭先生はどこか懐かしさをおぼえます。
鬼 頭「こうして目を閉じていると、お前……隼人そっくりだ。これからもっと似てくるのかな」
実は今日、鬼頭先生はロイニャで、あわや忍のこころを傷つけるところでした。松雪家を前にして、忍を一晩あずかることを「面倒を押し付けられた」と表現してしまったのです。忍はその耳でしっかりと聞いていました。表情も体も硬くなって、震えたのです。
鬼 頭「今日は悪かったな。でも、俺さ……隼人が死んだあと、忍を引き取るつもりだったんだぜ。あの時のお前は、手を挙げた全員が、“面倒事を押し付け合っている” ように見えたかもしれんが……そんな事、絶対ねぇから。今となっては鷹史のところへ行って良かったと思えるけど、たまに考えちまうんだよな。もし、もしもうちに来てたら……ってさ、」
▼ そっと忍の頭を撫でてみる、鬼頭先生
鬼 頭「もう、すっかり銀髪か……? 言葉遣いもコピーしてる頃か。……いや、ないな。今日一日、俺と同じ飯を食って、同じシャンプー使ってんのに、こんなにも匂いが違うもんな。やっぱお前は、観月忍、なんだわ」
▼ 腕を引っこめる、鬼頭先生
鬼 頭「でも今だけは
……きっと、夢の中で聞いています。
眠っているはずの忍の瞼から、涙がひとすじ、こぼれていましたから。
その㉝ 【おはようしのぶ 🌞】
しの……、
しのぶ……、
朝だぜ……、
しのぶ「うぅ…… Σん、まぶしい!」
▼ パァァァァ…(※朝日の光が後光で発光)
おはよー}✧ψ*`▽´*)> ː̖́ 。✧✧ Σ(σ - σ///)
しのぶ「おはようきとうさん、がんめんまぶしいがすごいよ(?)」
鬼 頭「何言ってんだオマエ?」
しのぶ「あれ。きとうさん、前髪がある」
鬼 頭「そうそう。雰囲気変わるだろ✧」
▼ 十年前鬼頭精一郎、朝の姿(前髪サラサラver)
鬼 頭「いつもは分けてるからな✧ 朝しか見れん、貴重な鬼頭さんのすがt――」
しのぶ「パジャマきてないね、もうおきたんだ」
鬼 頭「Σ聞けよw」
▼ 夜更かしだけでなく、朝も得意な鬼頭先生
しのぶ「なんだろう、いいにおいする」
鬼 頭「オムライス作ったぜ✧ 子猫のねぼすけ、起きて来な!」
<本日限定! グッド鬼モーニング🐣🍅>
鬼ふわオムライス
ねこみみウィンナー
焼きポテサラ
かいわれ
ホットミルク(猫マグ)
こびとヨーグルト
なないろのくだもの
しのぶ「ホテルだ……!」
鬼 頭「ちゃんと着替えて来たか、えらいぞ忍」
しのぶ「オムライス、ふわふわタイプ」
鬼 頭「もしかして、レトロなやつのがよかった?」
しのぶ「どっちもすき(嘘)あ、ねこみみウィンナー」
鬼 頭「朝から猫まみれだぜ。ほら、へんてこな猫マグ」
しのぶ「ねこ! ……ミルクあちち」
鬼 頭「Σ猫舌⁉」
その㉞ 【きとしの……突然の別れ】
▼ ピンポン(インターホン)
しのぶ「?」
鬼 頭「忍、待ってろ、――アイ鬼頭。藤田なら間に合ってマース!」
来客M『藤田さんなら僕も間に合っています、先生。おはようございます森屋です』
鬼 頭「アレ、おはようございます森屋くん(?)」
森 屋『朝早くすみません。忍くんの件で、篠塚さんから言付かって来ました』
鬼 頭「あそう? ……とりあえず、階上がっておいで」
森 屋『はい先生!』
▼ ブツ(切)
しのぶ「今の、もりやのお兄さん? 来るの?」
鬼 頭「おう……何か、来たなァ?」
▼ ピンポーン(PH階、到着)
鬼 頭「おはよう。どうしたのかな?」
森 屋「ふお!!!!」
▼ ドアの内側から現れた鬼頭先生を見て、バグる森屋
鬼 頭「(怪訝な目)」
森 屋「ええと先生、前髪おろされているのレアだなって」
鬼 頭「――で、何?(※ツンギレ)」
森 屋「はい先生。連絡入ってません? 篠塚さん、今朝がた容体悪化したそうで、今日は忍くんを森屋家であずかることに決まりまして」
鬼 頭「ハア? ちょ待っ、……ひとまず玄関あがって」
森 屋「はい!」
▼ いそぎ、篠塚家にコールする鬼頭先生
しのぶ「もりやお兄さんだ。おはようございます」
森 屋「忍くんおはよう、迎えに来たよ」
しのぶ「?」
鬼 頭「(電話中)Σナッ……一晩中ゲームやってた!? 久々独りにハッスル!? 熱中しすぎで暑くなって、暖房切って明け方まで狩猟……バカなの⁈ お前バカ!? あ、バカかw イヤー実にお前らしい。つか、ズビズビウルセェな、ハナかめよ。って切りやがったw」
森 屋「先生。忍くんなら、森屋家でよくあずかっているので慣れてますよ、ね」
しのぶ「うん……」
▼ 森屋さんち(実家)は、篠塚家のご近所
鬼 頭「いいよ別にもう一泊くらい……でも鷹史の容体を診に行きてぇんだけど、どうすっかな」
しのぶ「きとうさんきとうさん。もりやさんち、行く」
鬼 頭「へ……、
……ナンデ?」
しのぶ「すぐ、リュックもってきます!(てけてけてけ)」
森 屋「……僕、外にいますね。忍くん、準備できたら出てきて」
▼ リビングに取り残される、鬼頭先生
鬼 頭「えーと……土産でも、詰めようか……」
▼ 朝食の残りを詰めてあげる、鬼頭先生
その㉟ 【鬼頭家のバレンタイン】
▼ さよならの玄関先
鬼 頭「じゃあな忍、またどっかで会えるといいなw」
しのぶ「こんじょうのおわかれ風は、やめてください」
鬼 頭「な、本当に帰るのか?」
しのぶ「ひとばん泊めてくれてありがとうございました(ぺこり)」
鬼 頭「……」
しのぶ「……」
鬼 頭「……」
しのぶ「……」
鬼 頭「じゃあ、下まで送ろ――」
しのぶ「きとうさんとあそべて、たのしかったです」
鬼 頭「鬼頭さんも遊んでもらって楽しかったデース」
しのぶ「ほんとう? めいわく、たくさんかけたのに?」
鬼 頭「へ?」
しのぶ「あの……これあげます」
▼ スッ (忍のお宝『猫まみれDVD』)
鬼 頭「ゲ」
しのぶ「ねこ、すきになって……(σ - σ)」
鬼 頭「いい、いやいい……」
しのぶ「ねこ、すきになって!(* σ - σ *)」
鬼 頭「あハイ」
しのぶ「きとうさん、あと……はずかしいんだけどね、」
鬼 頭「なんだよ裸見て、一緒に寝た仲だろ(※最低)」
▼ スッ…… 💝 - σ)
グェ (*`▽´(💝 ≣_(σ - σ*)
鬼 頭「ナニコレ、 アッ ……Σチョコだ」
しのぶ「あげます。(ぷい////)」
鬼 頭「俺に? これ、かがりスーパーに並んでたチョコじゃん……いつの間に」
しのぶ「やどだい、です。お年玉つかった」
鬼 頭「へー……、自腹で」
しのぶ「ぜったい、ひみつにしてください」
鬼 頭「……」
しのぶ「ひみつだよっ」
鬼 頭「……」
しのぶ「きとうさん?」
鬼 頭「だ……、抱っこしていい?」
しのぶ「(ぴゃ!)Σかえるね……!」
▼ ガチャ (しのづか逃亡)
鬼 頭「ワー…… 何言ってんだ、俺ェ…………」
▼ ちょっとして、冷静になった鬼頭先生
鬼頭「Σお年玉って、俺があげたやつかッ!」
✧。 ψ(*`▽´*) ~鬼頭家のエンディング~ (σ - σ)ฅ。♡
忍を見送った後――
鬼頭先生は、何かがぽっかりと空いてしまったような感覚におちいりました。その正体が分からないまま、ジョギングがてら、篠塚家へ患者の様子を見に行きます。
綺麗な鷹史は起きていて、ゼェハァと苦しんではいましたが、一晩中ゲームをやりこみ完成させたレア装備一式を自慢してきました。イラッとした鬼頭先生は、主治医判断でゲーム機を没収してやりました。それだけですと、お色気がないので冗談半分に身体でも拭いてやろうとしたところ、強烈な【平手打ち】を喰らいました。
しばらくお説教されて、
自宅へ帰ってきますと、鬼頭先生は引っ越し荷物のかたづけをし始めます。段ボールの数を減らして室内を見渡したところ、今まで気づかなかったことですが、「なんだか広いな」と首を傾げてしまいます。
夕刻。
部活指導帰りの山形厳蔵から連絡がきて、かがり町の大人横丁で待ち合わせをし、お酒を飲むことになりました(やはり飲みすぎ、泥酔してしまいました)。気がついたら朝で、お財布がやけに軽くなっていました。
ところで忍がくれたバレンタインのチョコですが、中々開封できず、猫の宗教DVDとともにリビングやら主寝室やらとほうぼうを移動しています。忍が忘れていった『猫のマグカップ』も、鬼頭家の食器棚のよく目立つところに飾られています。忍がまた遊びに来た時、忘れずに渡そうと、そこへ置いたのです。
それから十年経ちますが、あの日以来、忍が鬼頭家を再訪する機会はありません(忍は学業と部活で毎日くたくたですし、鬼頭先生のほうではクリニックが忙しすぎて自宅へ帰る余裕がないからです)。
それでも時折自宅でゆったり過ごしていると、ふとそれらが目にとまるのです。そうしますと鬼頭先生は、ちょっと、さみしくなってしまうのでした。
鬼頭家のバレンタイン おしまい💝
おまけ 【かがり小学校 校歌】
あさの子猫は よく鳴くよ
町のみんなに 挨拶するよ
お山もめざめて 風を送るよ
さあ今日も歩もう 共に学ぼう
かがりの町の かがり小学校
♪(- _- ( ‐`д ‐´)(◎□◎)・∀・(σ - σ)
♪ <(*`▽´*)> (≖ _ ≖)✧
おうた:新旧かがり小学校の子猫たち
ほんとうに、おしまい🐈
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