クエスト6-2 はじめてのいらい
石畳で出来た通りを歩きながら、宿屋を探す。
ギルドにも宿屋は併設されていたが、こっちは翠銀級以下宿泊禁止……要するにランク制限で弾き出された。
その傍で通行人1人1人をチェックしてトルカやフィン、ピスがいないか探しているが、やはりいない。
少なくともトルカとフィンは望みが薄い事は分かっているのだが、どうしてもやらずにはいられなかった。
「にしてもすげーよなここ! 道が全部石で出来てやがる!」
「建物も高くて大きいよね。人もいっぱいいるし、木造じゃない建物もあるし……うまく言えないけど、すごいや……!」
タンデとズッカは目を輝かせて、町並みや行き交う人々を見ている。
今まであの村で生活していた事を考えると、この反応も頷ける。俺も初めてこの世界に来た時もこんな感じだったし。
「さて……」
良さげな宿を見つけたので、入ってみる。
「すみません、宿泊をしたいのですが……」
「階級は?」
「全員緋銅級です」
「じゃあダメだ」
「えっ?」
即答されて、思わず聞き返してしまった。
「うちは蒼銀級以上しか宿泊を許可してねぇんだ。さっさと帰んな」
「なんで蒼銀級以上なんだ?」
「そりゃあ階級が高い冒険者が泊まればそれだけで宣伝になるからな! それに金をちょろまかしたりしねぇし、宿泊態度もいい!」
あー、そういうことね。
「分かりました。では失礼します」
「蒼銀級になったら泊めてやるよ」
納得行かなさそうなタンデを引きずるようにして宿を出る。
「何だよあのおっさん!」
外に出ると、案の定タンデから不満の声が。
「簡単に言えば信用されてないんだよ。緋銅級は実績が無いし態度がいい保証も無いからな。あの主人からすりゃ、俺達緋銅級はごろつきと変わらないんだろう」
「そういう人が泊まって備品とかを雑に扱われるのも困るし、変な噂が立ってお客さんが来なくなるのも困るからね。理由としてはおかしくないと思うよ」
「うーん……分かったような分からんような……」
「とにかく、緋銅級でも泊まれる場所を探そう」
「だね」
俺達は再び通りを歩き始める。
思えば、舗装路を歩くのは久しぶりだ。
……………………
………………
宿を探して歩き回る事1時間。
「では……ね、ハイ。505と書かれた部屋が貴方達の部屋です……ね、ハイ。鍵はこちらです……ね、ハイ。貴重品は取られちゃうかもしれないので……ね、ハイ。部屋に置いとかないようにお願いします……ね、ハイ」
「ありがとうございます」
宿屋の主人である爺さんから鍵を受け取り、部屋をチェックしに行く。
俺達が選んだ宿屋は、5階建ての大きな場所。
比較的綺麗な内装なので行けるかどうかは微妙だったが、高い階層ほど料金が安くなり、階級制限も緩くなるシステムが導入されていたおかげで宿泊ができた。
階段を登り、部屋へと向かう。
階段を上がった所にある廊下の突き当たりのすぐ左に、俺達の部屋である505号室はあった。
今は平気だが、疲れて帰ってきた後の事を考慮すると5階はキツそうだな、エレベーターも無いし。
まあ、だからこそ安いのだろうが……
ドアを開けると、そこは両端に2段ベッドの置かれた部屋。
どこか温かみを感じる乳白色の壁や茶色の床に対し、部屋はベッド以外は窓くらいしかない殺風景な印象を与える。
ていうかチェストも無しか……
「「2段ベッドだ!」」
「上は貰うぜ!」
「僕も!」
2人はベッドを見るや否や、目を輝かせて梯子を登る。
「すげぇ! 天井に手が届いちまう!」
「ふかふかだ……」
「寝るなよー」
修学旅行に来た学生みたいだな。
……俺もまだそういう年なんだけどさ。
まあ折角なので満足するまで待とう。
……………………
………………
「おっ! うめぇ!」
「こっちも美味しいよ! シンヤは食べないの?」
「冒険者ギルドで食う……」
道行く先にある露店から漂う美味しそうな匂いに惹かれつつも我慢し、タンデとズッカの買い食いによる飯テロにも耐え、冒険者ギルドへと戻ってきた。
理由は至って単純明快、あるものをギルド内で見つけてしまったからだ。
そう、白飯付きの定食を冒険者が美味そうに食ってる姿を……!
適当な席に座り、料理を注文する。
件のメニューはミザン稲日替わり定食という名前らしい。
覚えた、覚えたぞその名前。
「お待たせしました」
程なくして目の前に出された定食は、白米に味噌汁、魚のフライに海藻サラダ。
……テンプレートな和食とは少々違うが、これくらいなら許容範囲だろう。野良犬が特別だっただけだ。うん。
「僕、ちょっと依頼を見てくるね」
「分かった」
「いってらー」
「出来ればタンデにも付いてきて欲しいな……」
「しょーがねぇなー」
気を遣ったのか飯テロ回避か、それとも単に掲示板を見たかっただけかは分からないがズッカとタンデが席を離れる。
まあいい、飯ってのは独りで静かで……というわけでもないが、そういう日があってもいいだろう。
「いただきます……」
白米から早速口に運ぶ。
やはり野良犬と比べると数段味は落ちるが、これはこれで日常の味って感じがして、悪くない。今思えば、あそこは色々と絶品が過ぎた。
良い意味でも悪い意味でも普通の味。だからこそ、かつての生活の記憶がより鮮やかに蘇る。
……親父もお袋も優佳も、元気にしてるかな。
あっちはどうなったんだ。
俺は本当に死んだのだろうか?
今までずっと自分の事、仲間の事で精一杯で、向こうの世界の事について考えることが殆ど無かった。
全部終わったら、どうしようか。
向こうの世界に帰れば、命を張る生活ともおさらばだ。学校に行って、勉強して、遊んで、寝て……
だけど……そうしたら、トルカやフィンとは、もう……
それは、ちょっと寂しいかも。
……いや、今はそれどころじゃない。全部終わってから考えよう。まだ道半ばだ。
食事を終えて依頼掲示板を見に行くと、ちょうど依頼更新のタイミングだったようで、依頼を貼り替える受付嬢の前には数多くの冒険者が集っている。
貼り替えの瞬間は稼げる依頼を取ろうと冒険者で奪い合いが勃発する事がある。ワーテル時代に何回か遠巻きから見た。
その様子はさながらタイムセールで安い品を奪い合う主婦……
俺はその様子をズッカとタンデと傍観する。
あの中に行くのはちょっと……
ある程度人が捌けたところで、3人で依頼をチェック。
「とりあえずいっぱい持ってきたぜ」
「緋銅級でも受けられる依頼を選んできたよ」
「ありがとう。えーと……」
タンデが8枚、俺が5枚、ズッカが3枚、合計16枚の依頼用紙から、今日受ける依頼を受ける。
「えーと、これは黒鉄級からだから除外、これも黒鉄級、これも、これも……こっちは蒼銀じゃねぇか! 除外! これは……よし、いける。こっちも大丈夫……」
まずは受けられない依頼と受けられる依頼を分ける。
受けられない依頼は端にまとめ、受けられる依頼を並べる。
受けられる依頼は全部で10件。
軽い雑用が4つ、素材収集系が3つ、討伐系が3つ……
依頼内容を説明し、3人で相談する。
「どれにする?」
「とりあえず魔物をぶっ飛ばす奴やろうぜ! そっちの方が面白いからな!」
「僕は雑用系の方がいいと思うな。討伐系は準備が必要になるし、怪我したら薬草とかで実質的な報酬が減っちゃうと思うし、素材収集は採取場所に魔物がいたりしそうだし……雑用系ならすぐ終わるし、時間もかからないんじゃない?」
「雑用系は確かに時間はかからないが、報酬は少ないぞ。討伐系は素材とかで追加報酬が狙えたりするな。素材収集系は……土地勘が無いからなぁ……」
「そういえばこれってあっちこっち行くのか?」
「そうだな」
「じゃあ行き先が被ってる奴を選べば時間もかからねぇんじゃねぇか? オレ様冴えてるゥ!」
「なるほど……」
「アイデアは冴えてるがお前のその態度は何か気に食わない」
……………………
………………
議論の結果、依頼元が同じものを2つ選択した。
橋を塞ぐモノプスという魔物の討伐と、翠月草を始めとした様々な薬効を持つ植物の調達。
前者は推奨レベルが9、後者はズッカが全部所持しているとの事が理由だ。
受付で依頼を受ける手続きを済ませ、早速目的地へ向かう。
場所はバミアと呼ばれる村。その途中にある、デルタポートとバミア村を結ぶ橋を塞いでいるモノプスを倒すのが最初の依頼だ。
冒険者ギルドを出て、デルタポート北側にある馬車の停留所へ向かう。
「すみません、バミア村までお願いします」
「あそこは魔物が道を塞いでいたはずだが……」
「それを退治しに行くのです」
「なるほど、そういうことか。階級は?」
「緋銅級が3人です」
「緋銅級……まあいいだろう、乗りたまえ」
「ありがとうございます。タンデ、ズッカ、乗っていいってさ」
若い男性が御者を務める、馬の代わりにダチョウのような鳥を2匹繋いだ馬車に乗り込み、出発する。
……………………
………………
馬車に揺られる事20分、問題の橋が見えてきた。
馬車も通れそうな大きい橋の前には、3mくらいのずんぐりした体型の1つ目巨人がグースカといびきを立てて寝ている。
「あれか……」
気配を察知したらしい巨人は起き上がり、大の字になって通せんぼをする。
「オーイーテーケー!」
喋った!?
……ともかく、討伐対象のモノプスはあいつで間違いなさそうだ。
「タンデ、ズッカ、行くぞ」
「おう!」
「うん」
馬車を降り、武器を構えてモノプスの前に立つ。
「オーイーテークーナーイ、ヤーツーケール!」
灰色の身体をし、頭に小さい1本角を生やした1つ目の巨人。
そいつは間延びした口調で声を上げ、襲いかかる。
「ぶっ飛ばしてやるぜデカブツ野郎!」
タンデが先行し、モノプスと交戦する。
1つ目の巨人とあれば、弱点はやはり……目!
「タンデ! そのまま引きつけてくれ! ズッカはタンデの援護を頼む!」
「任せろ!」
「シンヤはどうするの?」
「あいつの目を潰す!」
弓を引き絞り、奴の1つ目に狙いを定める。
「ウォォォォォアアアアアアーー!!」
モノプスの目を狙って放たれた矢は、唸りを上げて飛ぶ。
そして、
「ウガァァァァァァァ! オーラーノー! メーガーァァァァァァ!!」
その矢は狙い通り目に突き刺さり、モノプスは目を抑えて叫ぶ。
「もらったぁ! ダブルスラッシュ!」
タンデが放った双刃の斬撃はモノプスが目を抑えた腕を斬り裂き、続いて放った蹴りでよろめかせ、更に矢を抜き取る。
「シンヤ! トドメは譲ってやるよ!」
その気遣いは何だ!?
俺にトドメが刺せそうな技は……あれか!
タンデと入れ替わる形で前に出て、よろめくモノプスの股下をスライディングで通り抜け、
「ガイアエッジ!」
と、土の精霊剣を起動させる。
バランスを崩したモノプスの背中に、地面から飛び出したガイアエッジがモノプスを貫く。
「ウガァァァァァァァ……」
心臓部にあたる箇所を貫かれたモノプスはそのまま倒れて動かなくなった。
ガイアエッジを送還し、モノプスの方へと近づいてみる。
モノプスはピクリとも動かないまま、両腕と心臓から血を流している。
……タンデとの狩猟生活で多少は慣れたとはいえ、人型の魔物を倒した時はどうにも気分が悪い。
「倒した……みたいだな……」
「……うん……」
「シンヤ、ほらよ」
「おう、悪いな」
タンデが投げた矢を受け取り、軽く点検と整備をして矢筒に戻す。
それにしても随分平然としてるな、タンデの奴……
「おお、もう倒したのか! 緋銅級とは思えない速さだな!」
御者が俺たちの元へ駆け寄ってくる。
「ま、オレ達にかかれば楽勝だぜ!」
「死体はどうします?」
「我々で解体し、素材を持ち帰ろう。骨や角は素材として取引されるのでな。乗車賃はこの素材という事でどうだ?」
「分かりました。ガイアエッジ!」
ガイアエッジを取り出し、この場にいる全員で解体作業に当たる。
図体が大きい割に刃は通りやすいのか、人数が少ない割にスムーズに解体作業を行えている。
俺に関してはガイアエッジだからだろうが、タンデの短剣もスムーズにに通っている辺りそう思える。
……って言ってはいるものの俺の精神はスムーズじゃないです。しんどいです。
だって考えてみろよ魔物って言ったって人型だぞお前大きさデタラメだとしても人間解体ショーやってるようなものだぞそりゃ気分も悪くなるだろ! ガイアエッジ使ってる俺はともかく他が解体するときの音が生々しさ全開だし!
何でタンデと御者さんは平然と作業進めてんだよ! おかしいのは俺か!? 俺なのか!?
……という俺の愚痴はさておき、程なくして解体作業と不要な部位の埋め立てを終え、再び馬車は走る。
全部は持ちきれないし独り占めも悪いから、という事で素材の一部は俺達にも配分された。
……………………
………………
更に馬車に揺られる事40分、バミア村へ到着。
見た感じはRPGでよく見るタイプの普通の村。畑があって、家畜がいて、木造の家があって……あって…………それ以外特に何も無いな。
「おやおや、こんな田舎の村に旅人なんて珍しい。迷子にでもなったかい?」
話しかけてきたのは、井戸の近くにいた村人のおばさん。
「いえ、ここには依頼を受けて……」
「おーい! 貴方達が冒険者様ですね? 私が依頼人のヤーレンです!」
そう叫びながらこちらへ駆け寄ってきたのは、切羽詰まった表情をする30代くらいの男性。
「貴方が……」
「説明は後でします。とにかく来てください!」
「分かりました」
俺達はヤーレンさんに案内されるがまま、とある民家へ向かう。
「ケホ、ケホ……」
中に入ってみると、部屋の隅で彼の娘と思われる10歳くらいの少女が横たわり、苦しそうに咳き込んでいる。
「冒険者様、どうか娘をお助けください! 依頼の髪に書いてもらった薬効植物を使えば、きっと良くなるはずなんです!」
「えっあれ薬とか作る為の材料じゃなかったんですか!?」
ヤーレンさんの言葉に驚くズッカ。
俺もズッカと同様の理由で驚いている。
「この村唯一の薬師は今薬の材料の買い出しに町まで行っておりまして……とにかく、娘を……!」
「分かりました、僕に任せてください」
「ありがとうございます! ありがとうございます!」
唯一の薬師が村を出るのは……いやでもお使いを頼むにしても種類が分からなきゃ意味無いか……
「ヤーレンさん、娘さんの手を握ってあげてください!」
「わ、分かりました!」
「シンヤとタンデは水汲んできて!」
「分かった」「おう!」
「桶は家の前にある物をお使いください!」
「はい」
俺達にテキパキと指示を出し、背負った大きな鞄
民家を出て、木製の桶を持ってタンデと共に井戸へ向かう。
俺が水を汲み、タンデが桶を持ち運んで再び民家へ戻る。
「持ってきたぞ」
「ありがとう、そこに置いといて」
「他にやる事はあるか?」
「大丈夫、後は僕に任せて」
「そうか。気が散るだろうし、俺達は外で待ってるぜ」
「うん、ありがとうシンヤ」
振り返ってそう言うズッカの顔は、今まで見た中で最も頼もしい表情だった。
「……」
「タンデ、行くぞ」
「お? おう……」
呆気にとられるタンデを促し、外へ。
……………………
………………
「どうしたタンデ? そんなに考え込んで」
村の端の柵近くに座り、顎に手を当て、空を睨むタンデに話しかける。
「……いや、なーんかズッカがオレの知ってるズッカじゃねーな……って」
「ズッカが?」
「ああ」
その言葉を皮切りに、タンデは昔の事を語り始めた。
「昔のアイツはなんというか鈍臭い奴でさ、何やっても失敗してたんだ。狩りも魔物追いかけてすっ転ぶし、薬だってクッソマズいくせにぜーんぜん良くならなかったし」
「そうだったのか……」
「お前が来る前のオレは森で狩りばっかしてたからそんなには知らないけどよ、あいつは毎日薬を作る練習してたらしいんだ。お前はすぐ寝るから知らないだろうけど、修行の後も夜起きて薬作ってたぜ」
「そうか……頑張ってたんだな、ズッカ」
「お前も起きてる間ほぼ修行漬けじゃねぇか」
「しょうがねぇだろ、俺はそういう生き方しかできねぇんだよ」
才能の無い奴は、人一倍努力してやっと常人を追い抜ける。
そう、俺みたいな奴はな。
「はっ、何だそりゃ。……まあその、なんだ。何か、ズッカは昔のズッカじゃなくなった、って思ってよ」
タンデは頭の後ろで手を組んで、地面に寝転がる。
「頑張ってねぇのは、オレだけかもな……」
いつになくしおらしい表情で、タンデはぼそりと呟いた。
「タンデ、シンヤ、終わったよ」
「分かった」
「うーっす」
ズッカの呼びかけに応じて民家に戻ると、ヤーレンさんの娘さんはスヤスヤと寝息を立てていた。
最初に見た時のような苦しい表情は無く、安らかに眠っている。
「ありがとうございます! ありがとうございます! おぉ……我が救世主よ……」
ヤーレンさんは顔をくしゃくしゃにしながらズッカに縋り付くようにして泣いている。
「いや……その……えっと……まだ治りきったわけじゃないので、この薬を食後に飲ませてください」
「ありがとうございます! 必ずや飲ませますので……! おっと、私としたことが報酬を忘れておりました……! こちら少ないですがどうぞお納めください……!」
「あ、ありがとうございます……」
すごくやりづらそうだな、ズッカ……
すまん、こっちを見られても俺にはどうしようもできない。
……………………
………………
「旅の方、モノプスを退治していただきありがとうございます。これで村もいつも通り交易できる事でしょう」
「いえ、これも仕事ですから。ところで、青髪の魔法使いの女の子と、身体の大きな騎士、それから緑髪の吟遊詩人の青年は見ませんでしたか?」
「はて……そのような人々は見かけておりませんな」
「そうですか……ありがとうございます」
「いえいえ、助けてもらったのにお力になれず、申し訳ない」
村長からモノプス討伐の報酬を受け取り、行きと同じ馬車で帰る。
トルカ達の情報は残念ながらこの村では手に入らなかった。
「初めての依頼はどうだった?」
馬車の中で、タンデとズッカに初依頼の感想を聞いてみる。
「楽勝だな! 10個でも20個でもやってやらぁ!」
「戦闘は役に立てなかったけど、病気の人を薬で治す依頼なら、僕でも出来るよ。それと……誰かに感謝されるって、嬉しいね」
「そっか。これからも宜しく頼む」
「任せろ!」「頑張るよ!」
馬車はデルタポートへの道を全速力で走る。
戻ったら報酬の分配だな。
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