「秋山が立たされた理由」欄のある学級日誌 １７.５冊目⛵

予告編 カレープラントのせい

　～　十二月二十六日(水)　～

　　　カレープラントの花言葉　不滅の愛

　ママ～。これ、なあに？

　はいはい、ちょっと待ってね……？　ねえほっちゃん。

　はい。

　年末の大掃除中よね。

　そうなの。

　じゃじゃん！　ではここで問題です！　以前すっからかんにしたはずの、ほっちゃんのお部屋。ここに散らかったお菓子の袋は、全部でいくつあるでしょうか！

　ぴんぽん！

　はい！　お答えをどうぞ！

　あのね、パパのお部屋にあったこれ、七福神？

　そんなのいいからゴミ捨てしなさい。年内のゴミの日終わっちゃうんだから。

　年が明けたら、またゴミの日がずーっとあるの。

　ダメな子の発言ね。「できる女の条件」、その十九！

　えっと……、とりあえず面倒なことは道久君にやらせる？

　「褒めて」が抜けてます。そこ肝心。あとそれ、二十三番。

　じゃあ、掃除洗濯お料理だけは文句言わないってやつ？

　「褒めてやらせるのは可」が抜けてます。そこ肝心。

　気付けば同じ内容な気がするの。それより、これは？

　パパがお正月に作った七福神ラリーのスタンプ帳じゃない。覚えてないの？

　何となく覚えてたの。一緒に地図が入ってたんだけど、これで探すの？

　そうそう。……ふふっ、パパはそういうのばーっかり作ってたわね。

　楽しそうなの。

　いいわね、ほっちゃんたちは。それ、ママもやりたいわ。

　ほんと！？　じゃあ、明日からいっしょにやるの！

　そうね。じゃあ、まずはこのお部屋を……。

　道久君に掃除させるの！

　ほっちゃん！

　なあに？

　「褒めて」が抜けてます。そこ肝心。

　……以前も似たようなことがありましたが。

　こんな静かな年の瀬。

　まるっと聞こえるのです。

　どこに隠れよう。

　そして思うのです。

　世の男性は。

　こういったことにどのように対応しているのでしょうか。

　……おや？

「どうしました父ちゃん。肩なんか叩いてきて」

「愛だけを胸に抱いて生きろ」

「意味が分かりません。そのこころは？」

「なにも考えるな」

　………………深いお言葉なのです。