第12話

「じゃあまたねー!」



教習もおわり、帰りのバスをおりた。



「みんなで遊びに行くの楽しみだねっ!」



「なぁ。」



いつも通りにしている楓を見ていられなくて声をかけた。




「ん?」



「大丈夫なのかよ。」



「ごめん翼にもすぐ言えなくて。

翼に頼ってばっかりでごめんね?」



「全然頼られてねーし。

辛い時はすぐ言えよ。」



いっつも笑ってばっかりで、辛い時くらい頼ってほしい。




「翼!?」



マンションの入り口のところから声が聞こえた。




「、、、え、、、。」




元カノだ。




「ねぇ!翼!!

なんで最近全然連絡返してくれないの!?

だれその女!?」




ものすごい勢いで目の前に来て、楓を睨みつけている。




「あっえっと、幼なじみです!

彼女さんですよね?自動車学校が一緒で、

帰りのバスが一緒だったので。

私は帰りますね!

翼またね!」



幼なじみ。



そんな言葉にまた肩を落とした。


この状況で(笑)




「ねぇ!翼!!」




喧嘩にならないようにか、きっぱりと丁寧に俺たちの関係性と状況を伝えて家へはいっていく楓をずっと見ていた。




「あー、ごめん。てかなに、家まで来て。」




「なにじゃないよ!

なんで連絡全然返してくれないの!?」



「なんでって、俺たち別れたよな?

逆になんで返す必要があんの?」



「だって、、別れてすぐくらいまでは普通に 返してくれてたじゃん!

私もやっぱり忘れられないし、、。

急に最近返事くれなくなったじゃん。」




「最初は2年も付き合ってていきなり振られたし、俺もすぐには整理できてなかったけど、俺はもう引きずってないから。」




「もう彼女できたとか!!??」



「いやできてねーし。

そもそもお前が振ったんだろ。」



「でもホント急に冷たくなったじゃん!」



「1回決めたこと変える気ないから。」




ものすごく冷酷なやつだと自分でも思う。



でも、なんで今日なんだよ。


楓の話聞いてやりたい、笑ってほしい、そればっかりでずっとそわそわしている。




「ずっとそわそわしちゃって。

なに、なんなの!やっぱあの女とデキてんでしょ!?」



「、、、なぁ。

あの女とか言うのやめろよ。」








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