課題 哲也
練習試合が決まりました。去年負けた高校とやるそうです。スターティングメンバーに選ばれました。僕の最初の試合です。だからすごく緊張しました。最初の点は僕が入れることができました。加納キャプテンが教えてくれたパスをしてくれたからです。すごく嬉しかったです。だけどその後がいけません。鈴木先輩のパスがとれなかったり、うまくドリブルもできなくなってしまいました。いつもできることができません。焦りました。おかしい、おかしいと思っていたら余計にできなくなってしまいました。どうすることもできません。鈴木先輩には怒られてばかりです。第一クォーターが終わったとき加納キャプテンは僕の頭をなでてくれました。これは電気が走ったかと思うくらいしびれるほど嬉しかったです。僕がまだ子供のころ、なにもうまくいかずに人が怖くて怖くて泣いてばかりだったときお母さんが頭をなでてくれたことがあります。「大丈夫、大丈夫よ」と頭をよくなでてくれました。そのときすごく安心できたのです。それからも嫌なことや悲しいことがあったときはお母さんに頭をなでてもらうようにしてきました。だけど小学六年生になるとお母さんが「もう大人になりなさい、恥ずかしいから頭はもうなでてあげません」と言いました。中学生になってからはいじめられるのがひどくなって子供のときよりもっとつらくて悲しいのに頭をなでてくれる人がいません。僕は自分で頭をなでることにしました。自分でなでることで落ち着かせようとしました。それでも自分だとあまり安心できません。だけどそうしないと僕は違う僕になりそうでした。その自分で頭をなでるということも先生にバカにされて、みんなからも気持ち悪いと笑われるようになりました。お母さんからも頭をなでるのを人前ではやめなさいと言われました。僕には頭をなでることがなんでダメなのか理由がわかりません。わからないけどダメなようです。だけど本当にどうしようもないときは自然と頭をなでてしまいます。これは仕方がありません。だから加納キャプテンが頭をなでてくれて励ましてくれたときはすごく嬉しかったです。だから僕はがんばって、がんばってチームを勝たせようと思いました。だから疲れなんて感じませんでした。でも相手チームはすごく強くてなかなか点をとることができません。レイラ先輩は強い体をしているのでパスをまわしました。他の先輩は始めからでているので疲れているのがわかります。後半はレイラ先輩と攻めました。だけど試合が終わったとき僕のチームは負けてしまいました。僕の初めての試合は勝つことができませんでした。すごく悔しかったです。これは練習試合で、もうすぐ公式試合がはじまると聞きました。公式試合は負けると終わりだそうです。三年生は引退してしまいます。練習試合は負けてもいいけど公式戦は負けてはいけません。僕はがんばります。まだうまくできないパスをはやくできるように練習します。加納キャプテンや鈴木先輩のパスをちゃんと受けて自分からもパスができるようにしたいのです。加納キャプテンとまだバスケットボールがしたいからです。
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