女勇者りったんが行く4~お宝をゲットするのよ!

 りったんは、泣く子もだまる女勇者です。

 しかも、ちょっと欲ばりです。

 ダンジョンの中にある宝箱は、片っぱしから開けて回らないと気がすみません。

 でも、これ見よがしに置いてある宝箱なんて、ほとんどがミミックなのです。

 だから、よく宝箱にお尻をかじられます。

 がぶっ!

「痛てて……」

 あるとき、司祭にこう言われました。

「レアなアイテムというのは、えてして鍵のかかった宝箱に入っているものじゃ」

「なるほどねー」

 りったんは一念発起して鍵のかかった宝箱を探しました。

「見つけたわっ」

 だけど、やっぱりミミックでした。がぶりっ!

「痛てて……」

 見かねた勇者仲間がこう言いました。

「ラスボスを倒したとき手に入る宝箱には、百パーセントの確率で激レアアイテムが入ってるもんだぜ」

「え、マジで?」

 りったんは命がけでダンジョンの最奥部まで行き、大乱闘のすえにラスボスの魔王を倒しました。

「ひい……」

 体じゅう刀傷だらけで、頭には矢が二本刺さっています。

「うう、痛いよう。でもお宝をゲットするまでは死ねない……」

 魔王のいた玉座の後ろを探してみると、立派な宝箱が見つかりました。恐るおそる鍵を開けてみると、いかにもいわく有りげな杖が入っています。しかも、こんなメッセージが添えられていました。

『勇敢なるものよ。この杖を封印の間にある台座の穴に差し込むがいい』

「やったわ」

 りったんは苦労して封印の間を探し当て、台座の穴に杖を差しました。すると部屋中がぱあっと輝き出します。

「おおっ」

 台座の上部がゆっくり開いてゆきました……それは、なんと。

 やっぱりミミックでした。

 がぶりっ!

「痛てて……」

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