ましろ

多本 傾(ななめ)

この人…ノンケかな…

第1話 月光のライオン

「月光のライオン」。

累計発行部数が100万部を突破したBLマンガ。内容がかなり過激なため、好き嫌いがかなりハッキリと分かれるが、私はこの部類のマンガしか読んでいないと言っていいほどに愛読している。マンガは読む用と保存用の2冊をいつも買う。これ以上の冊数を買って作品を応援したいけど、散財する。このマンガのグッズの祭壇だって家にある。誕生日にはケーキを作る。下手くそだけど、絵も描いてお祝いする。これでも足りないくらいだけど、それほどに、このマンガのことを愛し、読んでいる。

一巻は表紙がズタズタになるまで読んだ。

初めて読んだ時の感情は1つだけ。衝撃的だった。スピード。爽快感。私に言わせればこのマンガはこの2つ。

舞台は隕石が衝突し、真っ二つに分かれた地球。北半球、南半球と綺麗に分かれている。食料調達のために争う2つの地球軍隊間でのいけない恋愛を描いている。SFが混じった恋愛である。素晴らしい。

受け(つまり右側だ)はフユトという青年で、北半球軍に所属するなんとも耽美な白髪と中性的に丸く澄んだ目は読者を釘付けにする。

フユトはM気質で行為中の気持ちよさそうに顔を歪めている姿は愛おしい。可愛い。推せる。推している。

攻めの南半球軍、シラサギという青年はガタイがよく、褐色肌のスポ根イケメンという感じで、フユトの身長の低さや女々しさをいつもからかっている。一巻の冒頭部を読むとヘラヘラしてお調子者、という感じに見えるが、シラサギは本気を出すとエロい以外の何者でもなくなる。Sっ気ムンムンで、破廉恥な言葉でフユトを攻めるのだ。色気。オーラがエロい。ピンクと紫が混ざったような綺麗なエロス。マジでエロい。アレで落ちない女はいないだろう。一巻一話のフユトを襲うシーンがある。そこで放った一言。「フユト。エロ顔で誘ったことを…悔やんどけよ…。」と悪そうな笑みを浮かべるシラサギの一コマ。

あそこで私も恋に落ちた。ツミッターという今何をしているか、というのがピンポイントで分かるSNS上では、毎日のようにタイムラインにシラサギがカッコいい、殺す気だ、などとオタクトークが流れてくるのが日常になっている。誰かに見られたらビルの屋上階から飛んでやろうかというくらいに、一般的にタブーとされることも流れている。

ただ、私はこういった事が友人に流出するのを避けるために、学校ではそういう話をしないと決めているし、グッズを持っていかないように細心の注意を払っているのだ。

カバンにも缶バッチを大々的につけてアピールしたいが、グッと抑え、女子力高めなトートバッグを持っている。

こんな労力を費やし、日々、BL漫画を読み漁っている私、柊木真尋ひいらぎ まひろはいわゆる隠れオタクというやつなのだ!



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