第19話 捜査会議 2回目 志垣家

捜査会議2回目は、日曜日の午後2時、ユウキはアイスコーヒーを、カナはカイトのお土産のロールケーキをみんなに配り終えた後、はじまった。


最初はカイトから

「去年卒業した先輩のアルバイト先で買ってきたフルーツたっぷり入ったロールケーキ召し上がれ。

先輩に話聞くために連絡したら、売上協力!することになって。でもしっかり元はとってきたよ。

最初にSNSで話題になった当時のことを思い出すことなんでもよいからって教えてもらった。

捜査に役立つがわからないけど。

まず、SNSで最初に話題になった時早い段階で学校側から説明があったこと。拡散に加担しないようにって全校生徒に言われた。それがセンター入試後すぐくらいだったらしい。受験期真っ只中先輩達はなんでこんな時期に?って思ったらしい。

次にSNSで話題になった発端がクラスのグループラインに間違ってラインしたことが発端みたいなんだ。」

ユウキとカナは息ぴったりに

「間違ったラインって!」

成田が冷静に言った。

「なんか証拠があるわけだからだよな?」

カイトが続けて言う。

「今はそのクラスラインからは削除されているみたいだけどね。

ラインに誰かが招待してすぐにラインを削除してから退出していて誰が書き込んだのかわからないらしい。心当たりないし、受験期で誰がラインしたなんて犯人探ししてる暇ないしね。

だから、誰かが間違ってラインしたんじゃないかってことになった。

その後、そのラインをスクショしてた生徒が不思議なこととして別の友達にスクショをみせた。それが拡散して騒ぎになったらしい。

そのスクショをみた先輩が更にスクショしていたから、今日見せてもらいにいった。そしてそれをスマホで写真にとってきた。」



『アニメータM氏の絵が学校に隠されている。』


スマホを覗き込んだ成田、ユウキ、カナの3人はだまりこんだ。


次に成田からの報告があった

「前回話したとおり、 学校内にM氏の絵が本当にないか自分でイラスト部に行った。

イラスト部が作っている作品集に目を通してきたけどなかった。

絵と言えば美術部も関係あるかな?と思って寄って確認してきたけど、収穫なし。」


「美術部!?」

とユウキとカイトが同時に反応した。

ユウキが

「俺、生物の追試でとなりになった林くんから聞いたんだけど。

ウチの美術の先生ってかなり厳しいらしんだ。

赤点とると美術部出入り禁止になるらしい。

先生の方針が生徒は学業ありき。部活は学業できてこそっておっかなそうだな。

林くん、やめさせられたらどうしょうってかなりびびっててさぁ。」

成田が

「うちの美術部は県内屈指の強豪で毎年の展覧会で賞を獲得する上に全国でも有名らしい。

毎年何人も美術大学に入れているしね。

でも美術の先生は来年定年だとか当校では勤続25年らしいよ。」

「カイトくんは何を言おうしたの?」

とカナが聞くと。

「いや、関係ないかもしれないけど。

その先輩がいうには、正面玄関に大きな絵が飾ってあるの知ってるよね。今はOBから寄贈された有名な画家の絵だけども、その前は誰かわからないけど、全国大会で賞をとった生徒の絵だったらしい。

M氏が書いたものではないことはわかっているんだ。

そのころ急に学校側が架け替えたんだ。妙に先輩達の中で違和感として印象に残ったことだって言っていた。」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る