第13話 ユウキの推理レポート〜その4〜

その日の放課後、探偵は転校生を教室に呼び出しした。


転校生は

「今日あんなことがあって、大丈夫なんですか?」

「あなたが私が大丈夫なのはわかっていると思っているのよ。

私もあなたも水は自分でかけたのだもん。

最初はもしかしたら本当にかけられたのかもしれない。しかし、2回以降はちがうよね。

あなたは休憩に入るとすぐ、バケツに水をはったものを持ってトイレの個室にに入り、水をかぶった。

前の休み時間にバケツに水をはっておいていたかもしれない。

だから、犯人をみた生徒がいないし、バケツ返さなきゃいけないから誰もいないときを選んだんだよね。

しまいにみんな転校生がトイレに入ろうとすると避けていたし。

今日私がびしょ濡れになったとき先生は私がショックをうけていると思って、授業に戻るか、帰宅するか選ぶように言った。

あなたは帰宅したいからこんなことしたのでは?

1人でお昼が嫌だった?」

「どうして?」

「びしょ濡れになるくらい水を持ち上げてかけることは女の子には無理なのにいつも、先生達は床の水を片付けしていたこと。

いつも事件がある時、休み時間がはじまってすぐ誰も目撃した生徒がいないこと。

友達ができたから、帰宅する必要もないし、それより何より、友達と連れトイレにいくから水はったり急いでトイレに入って水かぶったりできないよね。

だから事件が、なくなったんだよね。」

転校生はシュンとして俯いて言った。

「そこまでわかっていたなら、先生に言えばよかったじゃない?どうして、わざとこんなことしたの?」

「私は親友の疑いを晴らしたかったの。

私の親友は正義感が強く、頭のいい優しい子。絶対にこんなことしない。疑われたままが嫌だった。

だから、親友がアリバイがある時間に事件をおこした。

それに先生に話ししても、親友を庇うため私が言っているや転校生いじめに捉えられてしまう。

だから、貴方と同じことをして、被害者になった。

私は先生に正直に言おうと思っている。

一緒に言わない?」

転校生は下向いたまま、うなづいた。

その後、先生に本当のことを話した。

そして、事件は解決した。


レポートはここで終了。



ここからは後日談である。

しかし、その後、カナこと私は。

担任の先生は最初はびっくりしたが、厳重注意された。

そして、生徒指導の先生、主任の先生にも。2人でずっと謝って、気がついたら、外が真っ暗。

2人で話しながら途中まで帰った。そのころには戦友⁈すっかり仲良くなり、別れた。


家の近くにきた時ひょっこり、ユウキがニコニコして出てきて、

「おかえり。お疲れ。」

「ただいま。」

「やっぱり、カナらしいな?」

「えー、どういうこと。」

「俺、部活行く時忘れ物して教室もどったから、全部聞いた。ユキが疑われたことに腹が立ったからといってやりすぎだ。

でも、よかった。びしょ濡れのカナみたとき、本当に心配したんだぞ。」

「ありがとう。」

そう言って家路についた。


次の日、クラス皆に2人で謝った。

ユキは怒り、そして泣きながら抱きついて笑った。


転校生のノリコ、カナ、ユキは、大親友となった。

ノリコは看護学科のある高校へ進学したが今でも3人大親友である。



レポートを読み終えた、部長樫尾は

『中学から見事な推理だったんだな。

彼女。吉田カナさんは。

ますます、ぜひ、ミス研に来て欲しい人材だな。』

と思いながら、副部長の砂原へ3人の合格をラインした。


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