Winter Time Paradox
@shu-re
第1話出会い
透き通った夜空が、冬の寒さを物語る。
私は人生の中で笑ったことがなかった。いや、正確には笑う、楽しいや幸せといった感情を持ち合わせていなかったのかもしれない。私は、日付を跨いだ駅でプラットホームから落ちていく身体をアスファルトの線路に委ねながらそんなことを考えていた。
何か、思い詰めている、そういうわけではなかった。もう、疲れてしまったのだ。
ちょうどカーブを曲がり、ホームに差し掛かった電車が落ちゆく、私の身体を照らす。ある意味、人生で一番輝いてる瞬間かもしれない。
しかし、そう簡単に人生は終わることなく、三白眼の瞳がパッと目の前に現れると同時に私の身体はホームの上に戻っていた。慌てて見渡すも、周りには誰一人居なかった。
私の身体を拾い上げた瞳は、どこか懐かしいような温かみを感じさせるものだった。
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