さがそう (14話まけない 付け足しショートストーリー)

これは、悠基と薫子と実里の出来事を知らない、ただ一生懸命にプレゼントを選んでいた子のお話し。



[清水柊]

先輩達が喜びそうなものは……

なんだろう……?

無難に、雑貨?

文芸部だから、本?

んー……

とりあえず、歩こう……


私はとりあえず歩くことにした。

普段、近くの本屋とかスーパーで買い物を済ませてしまうため、デパートに来ない。だから見るもの全てが私にとっては眩しかった。


色んなものがあるんだな~

……でも見てるだけで満足しちゃう。

プレゼント、ちゃんと選ばなきゃ……

とりあえず一回りしたけど、ピンと来ない……

というか、疲れた……

ちょうどベンチがあるから休もう……


私はベンチに座ろうとした。

座ろうとしたが、ベンチの下に何かがうずくまっていた。

あ、猫ちゃんだ……

私自身、あんまり猫のことが好きじゃないとと思っていたが、さっきまでいた猫カフェで猫にハマってしまった。

あんなに可愛いとは思わなかったんだもん……

猫カフェで勉強したことを活かすとき……!


「猫ちゃ~ん、こっちおいで~、ほら~よしよ~し」

猫の視線で優しく呼びかける。

うん、完璧!

私の呼びかけに答えるように猫ちゃんが出てきた。

「よ~しよし、いい子ね~」

猫ちゃんの首には首輪がついていた。

どうやら飼い猫で、迷子になったらしい。

プレゼント選びついでに、飼い主探しでもしようかな

でも、その前に……

ちょっと休憩、っと……

普段あまり歩かないから足が少し痛いや……

猫は私のももの上でちょこんと座りながら私の方を見ていた。

「よしよ~し、すぐ見つけてあげるからね~」

でもちょっと待ってね、本当に疲れたから……

猫ちゃんをなでなで

なでなでなでなで

はぁ……癒される……

にゃーにゃー

猫ちゃんが甘い声で鳴いている。

……探そう。

とりあえず、迷子センターかな?

子、じゃないけど……

私は迷子センターに連れていった。

迷猫のアナウンスをした後、飼い主はすぐにやってきた。

「本当にありがとうございました」

「い、いえいえ、全然……猫ちゃんばいばい~」


猫ちゃんを送り届けた後、私はベンチに戻った。

そして決断する。


よし、プレゼント、猫グッズにしよう。

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